8州で最低賃金の再引き上げ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年2月

インドネシア国内の8州において、2001年1月1日より最低賃金が引き上げられることになった。8州とは、アチェ、北スマトラ、リアウ、南スマトラ、東カリマンタン、中央スラウェシ、東・西ヌサ・テンガラである。他州の最賃引き上げは、現在交渉中である。

最低賃金は、毎年4月に改定されるのが恒例となっており、2000年4月に一斉に15~ 55%引き上げられた。今回の決定は再引き上げということになる。

この8州での平均引き上げ率は30%で、2000年の経済成長率が4%と見られていることと、インフレ率がそれほど上がらなかったことが要因の一つになっている。

しかし、今回の引き上げ額だけでは、必要最小限の生活必需品を購入するのにも十分ではないと見られている。

2000年9月の大統領令226号によって、中央政府のみではもはや最低賃金の決定に権限はなく、月額の最低賃金は、2001年の地方自治法の施行に従って、地方賃金委員会との協議によって決められることになっている。

2000年の年末年始は、クリスマスとイドゥル・フィトゥリ(イスラム教の祭日)のボー ナスが支給されるため、経営者側にとっては支出が続くことになる。

全インドネシア労働組合連盟(FSPSI)のヤコブ議長は、労働団体は、新しくよりよい労働システムのために団結して闘うことを表明した。また、インドネシア福祉労働者連合(SBSI)のパクパハン議長も、労働者とその家族の福祉向上のために使用者と政府が責任を持つべきであると主張、使用者は実際には労働者の賃金を100%上昇させることも可能であるにもかかわらず、利潤志向型の経営と、政府の外資向け低賃金政策のために、労働 者の賃金が低く抑えられていることを付け加えた。インドネシア使用者連盟(Apindo)のディマント議長は、賃金の引き上げには、労働者の技能向上が大前提で、それがない限り引き上げには応じられないと答えている。

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