ホワイトカラー人材市場の確立

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年1月

中国では、大卒以上の学歴をもつホワイトカラーが転職求職するための職業斡旋機関を、人材流動サービス機関(センター)若しくは人材市場と呼んでいる。現在、このような人材流動サービス機関が4500以上、人材市場が2500近くとなっており、この10数年間のうちに、市場化された人材流動システムが初歩的に確立されている。近年では、さらに人材情報のネットワーク化が進み、データベース化された人材情報の検索センターは少なくとも1475カ所が設けられている。

1999年までの5年間に、各地方政府人事部門が設けている人材交流サービス機関を通じて、転職を果たした人数は700万人近くとなっている。そのうち、国有大中型企業に転職したのは130万人、郷鎮企業や農村地域に職を求めたのが130万人、外資系企業や外国との合弁企業に転職したのが175万人となっている。1998年、政府人事部門が設けた人材サービスセンターに登録した者が630万人になっている。そのうちの225万人が新しい仕事を見つけた。

1999年10月26日から28日の間に、中国政府人事部は青島市で全国人材流動と人材市場確立の会議を開いた。会議後に発表したコミュニケは、中国共産党第15回四中全会が確立した科学教育立国の理念に基づき、今後、特に企業経営者や管理者の人材市場、ニューテクハイテクの人材市場及び農村人材市場をさらに発展し、経済発展戦略や産業構造の調整及び内陸部の開発拡大にしたがい、人材流動を促し、人的資源の最適配置を図るとの方針を発表した。人事部は地方政府やその他の部門と協力をしながら、2005年前後に、200カ所の大規模な人材市場、300カ所の高級人材市場、2000カ所の基礎人材市場を設け、2010年に全国レベルの人材市場システムを確立する計画を発表した。

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