基礎情報:アメリカ(1999年)
4. 労働時間

※このページは、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

4-1. 労働時間の概要

アメリカにおいては労働時間に関する統計は実際に働いた時間ではなく、有給休暇や休日を含めた賃金の支払い対象となる時間が用いられている。別表のとおり、1999年8月の民間労働者の週平均賃金支払い労働時間は34.6時間で、業種別にみると鉱業が最も長く44.2時間、製造業は41.7時間で、最も短いのは小売業の29.1時間である。先にみたように、小売業は1時間当たりの賃金も低いが、週当たりの労働時間が短いことから、他産業と比べ週当たり賃金はさらに低くなっている。

週平均労働時間指標に表れているように、1982年と比べ1999年には50%近く労働時間は長くなっている。

表:週当たりの労働時間(1999年)
第1四半期 第2四半期 6月 7月 8月 7-8月の差
民間平均 34.6 34.4 34.5 34.5 34.6 0.1
製造業 41.6 41.7 41.7 41.9 41.7 △0.2
時間外労働 4.5 4.5 4.7 4.7 4.6 △0.1
週労働時間指標 (1982=100) 民間平均 147.0 147.3 147.8 148.3 148.5 0.2

出所:The Employment Situation News Release, Sept.3, 1999, Bureau of Labor Statistics, Department of Labor


産業別生産労働者(非監督者)の平均週労働時間(季節調整値)
  1998年 1999年
8月 4月 5月 6月 7月 8月
民間部門平均 34.6 34.4 34.4 34.5 34.5 34.6
鉱工業 41.1 40.9 41.0 41.2 41.2 41.1
鉱業 43.7 43.8 44.1 44.0 45.0 44.2
建設業 39.2 38.6 38.9 39.4 38.9 39.0
製造業 41.7 41.6 41.7 41.7 41.9 41.7
時間外労働時間 4.5 4.3 4.6 4.7 4.7 4.6
耐久消費財製造 42.3 42.1 42.2 42.3 42.5 42.3
時間外労働時間 4.7 4.3 4.7 4.8 4.9 4.7
非耐久消費財製造 40.9 40.9 41.0 41.0 41.0 40.9
時間外労働時間 4.3 4.2 4.4 4.5 4.5 4.4
サービス業 32.9 32.8 32.8 32.8 32.9 32.9
運輸・公益業 39.4 39.0 38.8 38.9 38.8 39.2
卸売業 38.4 38.4 38.3 38.4 38.4 38.5
小売業 29.0 29.0 29.1 29.1 29.1 29.1
金融・保険・不動産業 36.9 35.9 36.1 36.8
その他サービス業 32.7 32.5 32.5 32.6 32.6 32.7

注:金融・保険・不動産業は季節調整前の数値。
出所:The Employment Situation News Release, July 20, 1999, Bureau of Labor Statistics, Department of Labor

このページのトップへ

4-2. 労働時間に関する法律

アメリカの連邦法には労働時間、有給休暇、休日について定めた規定はない。公正労働基準法(FLSA)は週40時間を超えて働かせた場合には、超過労働時間について通常賃金の50%増の賃金の支払いを使用者に義務づけているだけである。したがって、使用者は労働組合のある企業では労働協約により、労働組合のない企業では労働契約により週当たりの労働時間を、法律の規制を受けることなく、決めることができる。

労働時間と同様に有給休暇、休日についても法律の規制はなく、労働協約もしくは労働契約で決められている。

関連情報

お問合せ先

内容について

調査部 海外情報担当

お問合せページ(事業全般に対するお問合せ)

※内容を著作物に引用(転載)する場合は,必ず出典の明記をお願いします。

例) 出典:労働政策研究・研修機構「基礎情報:アメリカ」