基礎情報:韓国(2013年)
4. 賃金・労働時間・解雇法制
4-1 最低賃金制度
- 最低賃金額:
- 4,860ウォン/時間(2013年1月~)
- 改定:
- 最低賃金は、毎年政労使からなる最低賃金委員会の答申を受けて、雇用労働部長官が決定する。全産業一律制で、適用時期は毎年1月1日。
- 影響率等:
- 適用対象労働者数は約258万人(14.7%)
- 適用除外・減額措置:
- 雇用労働部長官の認可を受けた、次に該当する者
- (1) 精神または身体の障害により労働能力が著しく低い者
- (2) その他最低賃金を適用することが適当でないと認められる者
資料出所:厚生労働省(2013)「2011-2012海外情勢報告」
4-2 最低賃金額の推移
時給 | 日給 | |
---|---|---|
1995年 | 1,275 | 10,200 |
2000年 | 1,865 | 14,920 |
2005年 | 3,100 | 24,800 |
2008年 | 3,770 | 30,160 |
2009年 | 4,000 | 32,000 |
2010年 | 4,110 | 32,880 |
2011年 | 4,320 | 34,560 |
2012年 | 4,580 | 36,640 |
4-3 労働時間制度
- 根拠法:
- 勤労基準法(1997年制定)
- 法定労働時間:
- 1週40時間
- 罰則:
- 2年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金。
- 適用関係:
-
- 常時4人以下の労働者を雇用する事業または事業場は適用除外。
- 以下の業務に従事する労働者は適用除外。
- 土地の耕作・開墾、植物の裁植・裁培・採取事業その他の農林事業
- 動物の飼育、水産動植物の採捕・養殖事業、その他の畜産、養蚕、水産事業
- 監視または断続的に勤労に従事する者であって使用者が労働部長官の承認を得た者
- 大統領令が定めた業務に従事する労働者
- 弾力的労働時間制度:
- 変形労働時間制
使用者は、2週間以内を単位とする変形労働時間制を採用できる。その際、(1)単位期間平均の週当たり労働時間が40時間を超えないこと、(2)いずれの週の労働時間も48時間を超えないこと、が要件となる。
使用者は労働者代表と書面で合意した場合、3カ月以内を単位とする変形労働時間制を採用できる。その際、(1)単位期間平均の週当たり労働時間が40時間を超えないこと、(2)いずれの週の労働時間も52時間を超えないこと、(3)いずれの日の労働時間も12時間を超えないこと、が要件となる。
- 時間外労働(上限規制、割増賃金率):
- 使用者と労働者が合意すれば、週当たり12時間までの法定労働時間を超える時間外労働が認められる。時間外労働に対しては、割増賃金として時給を50%以上加算する。
次の事業において使用者が労働者代表と書面で合意した場合、例外的に週12時間を超えて時間外労働させることができる。
- 運輸業、物品販売および保管業、金融保険業
- 映画製作および興行業、通信業、教育研究および調査事業、広告業
- 医療および衛生事業、ホテルおよびレストラン業、焼却および清掃業、理容業
- その他公衆の便宜または業務の特性を考慮し大統領令で定める事業(社会福祉事業)
- 休日労働(割増賃金率):
- 使用者は、労働者に対して1週間に平均1日以上の休日を与えなければならない。
割増賃金
通常賃金の50%以上を加算支給。
- 年次有給休暇制度における継続勤務要件:
- 1年の所定労働時間の80%以上勤務
- 年次有給休暇の付与日数:
- 年間最低15日の年次有給休暇を付与。日数は勤続年数2年当たり1日を加算して最大25日まで付与される。
- 年次有給休暇の連続付与:
- 法令上の規定なし
- 年次有給休暇の付与方法:
- 使用者は、労働者の申請に基づき年次有給休暇を付与する。ただし、労働者の申請どおり休暇を付与することによって事業活動に深刻な障害が生じるおそれがある場合には、当該休暇の時期を変更することができる。
- 未消化年休の取扱い:
- 有給休暇は、1年間取得しないときは消滅する。ただし、使用者の責に帰すべき事由により取得できなかった場合はこの限りでない。
資料出所:厚生労働省(2013) 「2011-2012海外情勢報告」
4-4 解雇法制
個別的解雇
使用者は、正当な理由なく労働者を解雇してはならない(普通解雇)。使用者が労働者を解雇(経営上の理由による解雇を含む)しようとするときは、少なくとも30日前に労働者にその予告をしなければならない。使用者が30日前に解雇予告をしない場合は、通常賃金の30日分以上を労働者に支払わなければならない。
集団的解雇
経営上の理由による解雇(整理解雇)は、次の事項を充足しなければならない。
- 人員を削減しなければならない緊急の経営上の必要性が存在すること
- 解雇回避の努力が尽くされたこと
- 解雇対象者の選定について、客観的合理性を有する人選基準を設定し、これを公平に適用したこと。
- 解雇の必要性、解雇回避の努力の内容、人選基準等について、労働者代表(過半数労働組合又は労働者の過半数を代表する者)に対し、解雇しようとする日の50日前までに通知し、誠実に協議すること。
資料出所:厚生労働省(2013)「2011-2012海外情勢報告」
基礎情報:韓国(2013年)
- 1. 統計情報
- 2. 雇用・失業対策
- 3. 能力開発・キャリア形成支援
- 4. 賃金・労働時間・解雇法制
- 5. 社会保障
- 6. 労使関係
関連情報
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