メールマガジン労働情報 No.1774

■□――【メールマガジン労働情報/No.1774】

「第6回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果を記者発表 ほか

―2022年5月18日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】アフターコロナ期の産業別雇用課題等について議論/厚労省PT会議 ほか
【統計】2022年1~3月期のGDP実質成長率、年率マイナス1.0%/内閣府 ほか
【労使】BCP策定率は32%/東商調査 ほか
【動向】上場企業の雇用調整助成金、計上額が8,000億円に迫る/民間調査 ほか
【海外】物価上昇によるSMIC(法定最低賃金)、引き上げ―5月1日に時給10.85ユーロへ/フランス ほか
【イベント】労働保険年度更新・算定基礎届の事務説明会/東京都社会保険労務士会 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇記者発表「第6回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果
―給与差は拡大する傾向にあると予測―

 JILPTは18日、「第6回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」
(一次集計)結果を記者発表しました。正社員の企業における個人間の給与差の拡大、縮小
について尋ねるたところ、感染症発生期は、拡大が縮小を7.8%ポイント上回っていたが
ポストコロナ期では、両者の差は15.9%ポイントに拡大していること、感染症発生期における
給与差拡大の要因として、成果主義・評価制度の導入・定着(67.1%)、モチベーションを
高めたいから(54.1%)などが高くなっていること、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20220518b.pdf

◇記者発表「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第7回)」(一次集計)結果
―約8割が「物価の上昇に伴う生活への支障」に不安―

 JILPTは18日、「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査
(JILPT第7回)」(一次集計)結果を記者発表しました。「物価の上昇に伴う生活への支障」
について尋ねたところ、約8割(80.2%)が「不安」と回答し、新型コロナウイルス感染症の
「感染の収束が見えないこと」(77.4%)や「自身の感染」(73.0%)に対する不安を上回る
結果となったこと、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20220518a.pdf

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【JILPTからのお知らせ】
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☆新刊『新・EUの労働法政策』を刊行しました!

 EU労働法の形成と発展の歴史を詳述し、全分野にわたって解説した実務家必読の書で、
シフト制やプラットフォーム労働など、日本の労働法政策にも大きな示唆を与える1冊です。
【A5判 892頁 定価:4,180円(本体3,800円) 4月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/eu-labour-law.html

☆『JILPT 諸外国の制度比較 2021年度』を公開しました!

 JILPTが2021年度に調査した諸外国の制度概要を俯瞰しやすいように再編集しました。
諸外国の外国人労働者受入制度、諸外国の労働時間法制―ホワイトカラー労働者への適用、
諸外国の最低賃金―コロナ禍における引き上げ状況を紹介しています。ご活用ください。
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2022/special/document/booklet.pdf

☆「JILPTデータ・アーカイブ」のご案内

 学術研究・統計分析にご利用いただけるように、当機構が実施したアンケート調査の
個票データを公開・提供しています。現在、公開しているデータ数は120件です。
「子育て世帯全国調査」や「高齢者雇用に関する調査」など、当機構が定点観測的に
実施してきた調査や個人を対象としたパネル調査などJILPTの基幹アンケート調査の
データも公開しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/archive/index.html
(公開データリスト(調査実施時期順))
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/archive/datalist07.html

◇『データブック国際労働比較2022』公開中!

 労働に関する各種統計指標及び統計数値を理解するうえで参考となる制度を、
国際比較が可能な資料集として編集・作成しました。(3月31日公開)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2022/index.html

☆『現代ドイツ労働法令集』発売中!

 本書は、ドイツにおける主要な労働関係法令についての邦語訳を提供するとともに、
各法令の邦語訳の冒頭では、当該法令に関する簡単な解説を行なっています。
【A5判 414頁 定価:4,180円(本体3,800円) 3月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/de-houreishu.html

◇ブックレット『フリーランスの労働法政策』発売中!

 JILPTが2021年3月に開催した東京労働大学特別講座「フリーランスの労働法政策」
の講演録をベースに取りまとめたもので、国内のフリーランス問題と政策対応、
JILPTの調査結果、諸外国の政策動向を概観しています。
【A4判 127頁 定価:1,650円(本体1,500円)3月22日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/03.html

◇ブックレット『近江絹糸争議斡旋経過―中央労働委員会による―』発売中!

 本資料は、1954年に発生した「近江絹糸争議」を担当した中央労働委員会の職員が
斡旋作業に携わる中でメモとして残して保存していた資料をもとに、解題や争議経過
などを追加して取りまとめたものです。
【A4判 142頁 定価:1,980円(本体1,800円)3月22日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/04.html

☆『労働関係法規集2022年版』発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2022年版では「医療法(医師の働き方改革関連)」「育児休業、
介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」「雇用保険法」
等の改正法令等を収録しています。
【B6判変型1,188頁 定価:1,760円(本体1,600円) 3月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報(5月16日更新)
  国内統計:未活用労働指標(LU1~LU4)
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c24.html

 ▽ピックアップ
  『コロナ禍における個人と企業の変容─働き方・生活・格差と支援策』(慶応義塾大学出版会)発売中!
  連続パネル調査の結果データを分析した書籍です。
  https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/book/20211125.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【行政】
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●アフターコロナ期の産業別雇用課題等について議論/厚労省PT会議

 厚生労働省は4月25日、第1回「アフターコロナ期の産業別雇用課題に関する
プロジェクトチーム会議」を開催した。同プロジェクトチームは、コロナ禍の
雇用維持に係る業種別の課題を洗い出し、雇用調整助成金から産業対策への円滑な
移行・連携を見据えた基礎的検討を行うことを目的として立ち上げたもの。
今後は、雇用調整助成金の支給が多い産業の業界団体等からのヒアリングを実施
したうえで、6月に取りまとめに向けた議論を行うとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/projectteam_20220425_00002.html

●雇用調整助成金の累計支給申請件数、前週比約5万5,000件増/厚労省

 厚生労働省は、雇用調整助成金と緊急小口資金等の特例貸付の支給実績を
公表している。雇用調整助成金の累計支給申請件数(5月13日時点)は、
650万2,672件(前週比5万5,396件増)、緊急小口資金等の特例貸付の累計貸付
申請件数(5月7日時点速報値)は、330万8,591件(同2,482件増)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kurashiyashigoto.html#h2_1

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【統計】
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●2022年1~3月期のGDP実質成長率、年率マイナス1.0%/内閣府

 内閣府は18日、2022年1~3月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質がマイナス0.2%、年率換算でマイナス1.0%。
需要項目別では、民間最終消費支出が実質マイナス0.0%(10~12月期は2.5%)、
うち家計最終消費支出は実質マイナス0.1%(同2.5%)。また、雇用者報酬の伸び率は
実質マイナス0.4%、名目0.7%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2022/qe221/gdemenuja.html

●正規職員・従業員、前年同期比10万人減、10期ぶりの減少/労働力調査・詳細集計1~3月期平均

 総務省は13日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2022年1~3月期
平均の役員を除く雇用者は5,640万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比
10万人減の3,568万人で10期ぶりの減少。非正規の職員・従業員は、同8万人増の
2,073万人で3期ぶりの増。失業者は前年同期比14万人減の202万人、失業期間別に
みると、失業期間「3カ月未満」の者は68万人で8万人の減少、また「1年以上」
の者は68万人で3万人の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html
(結果の概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

●4月の輸入物価指数、契約通貨ベースで前年比約30%上昇/日銀

 日本銀行は16日、企業物価指数(2022年4月速報)を公表した。輸入物価指数は、
ドルなどの契約通貨ベースで前月比5.6%、前年比29.7%、円ベースで前月比10.8%、
前年比44.6%、それぞれ上昇。前月比での上昇では、石油・石炭・天然ガスの4.55%が最大。
国内企業物価指数は、前月比1.2%、前年比10.0%の上昇。前月比での上昇への寄与度は、
石油・石炭製品(0.37%)、鉄鋼(0.24%)など。前年比での上昇は14カ月連続。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2204.pdf

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【労使】
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●BCP策定率は32%/東商調査

 東京商工会議所は13日、「会員企業の防災対策に関するアンケート」2022年
調査結果を発表した。「BCP(事業継続計画)を策定済」の企業は32.2%(前回31.8%)。
BCPで想定している災害等は、地震(90.9%)、感染症(50.9%)、水害(47.4%)など。
従業員向けに3日分以上の飲料水を備蓄している企業は47.6%、食料は36.7%。一方で、
外部の帰宅困難者向けに3日分以上の飲料水を備蓄している企業は37.3%、食料は16.7%。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1029531
(調査結果)
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1029537

●入社時の書面での労働条件明示は6割を切る/連合調査

 連合は4月28日、「入社前後のトラブルに関する調査2022」の調査結果を発表した。
労働基準法が義務付けている書面での労働条件の明示等があったのは59.9%で、
前回(2016年)調査から6.1ポイント減少。従業員規模50人以下では49.4%にとどまる。
新卒入社した会社を「離職した」は33.2%、辞めた理由の1位は「仕事が自分に合わない」
(40.1%)、労働条件を書面で渡されていない人では、「労働時間・休日・休暇の条件が
よくなかった」(35.8%)が離職理由1位となった。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20220428.pdf


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【動向】
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●上場企業の雇用調整助成金、計上額が8,000億円に迫る/民間調査

 東京商工リサーチは16日、第11回「上場企業『雇用調整助成金』調査」結果を発表した。
雇用調整助成金の特例措置制度を活用した上場企業は、2022年3月末現在で845社
(上場企業の21.7%)、業種別では、「製造」(329社)が最多、次いで外食を含む
「小売」(164社)、観光などの「サービス」(159社)など。雇用調整助成金の計上額の
合計は7,945億1,340万円に達した。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220516_01.html

●ロシア・ウクライナ情勢で約5割が「仕入確保」に影響、6割強が「価格」に影響/民間調査

 帝国データバンクは16日、「ロシア・ウクライナ情勢による企業の仕入れへの影響調査」
結果を発表した。ロシア・ウクライナ情勢により、原材料や商品・サービスの仕入数量の
確保面で「影響を受けている」企業は50.8%、原材料や商品などの価格高騰の面で
「影響を受けている」企業は66.7%。仕入数量で「影響を受けている」業種は、
「木造建築工事」が88.3%、「木材・竹材卸売」が83.6%と、「ウッドショック」の
影響が目立つとしている。仕入価格面では、「木造建築工事」が91.3%、ガソリンスタンド
などを含む「燃料小売」が91.2%にのぼる。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220504.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220504.pdf

●約7割の企業がリモート採用を導入/民間調査

 マンパワーグループは13日、企業の人事担当者を対象とした「リモート採用の導入・
実施状況」調査結果を発表した。「リモート採用を取り入れている」と回答した
割合は66.8%。リモートで行っているものは、「説明会」と「最終面接以外の面接」が
同率(84.3%)で最多、次いで「内定者フォロー」(63.3%)など。一方、「最終面接」
(37.1%)、「契約書のやりとり」(22.1%)は少なく、採用における最終的な判断や
手続き、意思確認は、リモートより対面で実施する企業が多いとしている。
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20220516.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<フランス>
▽物価上昇によるSMIC(法定最低賃金)、引き上げ―5月1日に時給10.85ユーロへ

 エネルギーや食品の価格高騰により物価上昇率が規定を超えたため、
法定最低賃金(SMIC)が5月1日に引き上げられた。労組は政府裁量による
大幅な引き上げを要求しているが、マクロン大統領はSMICの引き上げは
従来通り、物価と平均賃金の上昇に連動して引き上げ、別途購買力強化のため、
特別手当に対する非課税措置をとる考えを示している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/05/france_01.html

<中国>
▽定年延長、江蘇省で初実施

 江蘇省は「江蘇省企業従業員基本養老保険実施方法」を発表し、養老保険の加入、
保険料の支払、年金受給等の具体的な実施方法を規定するとともに、退職年齢(定年)
の引き上げについても制度を整備して、2022年3月1日から実施している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/05/china_01.html

●ロシア侵攻後に失われたウクライナの雇用は480万人/ILO

 ILOは11日、ウクライナ危機の労働への影響をまとめた概況を発表した。
同概要によると、ロシア侵攻後に失われたウクライナの雇用は480万人に上る
と試算し、戦闘が激化した場合の雇用損失は700万人、戦闘が直ちに停止された
場合は340万人の雇用が回復し、雇用の損失は8.9%に縮小されるとしている。
難民全体のうち約275万人が生産年齢人口で、そのうち43.5%に当たる120万人は
就業していたものの、失業・離職している。
https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_844820/lang--ja/index.htm

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【イベント】
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●労働保険年度更新・算定基礎届の事務説明会/東京都社会保険労務士会

 東京都社会保険労務士会は6月10日、労働保険年度更新申請書や社会保険の算定基礎届・
月額変更届の事務説明会をオンラインで開催する。事業主や事務担当者を対象として、
算定基礎届・月額変更届の書き方等について、今年の変更点や重要点を説明する。
説明会終了後、個別相談会(オンライン)も実施予定(最大10社限定、事前予約制)。
参加無料。
https://www.tokyosr.jp/topics/2022-topics/48429/

●講演会『障害のある方の「働く」を考える パート7~大学からのキャリア形成~』/千代田区障害者就労支援センター

 千代田区障害者就労支援センターは6月2日、講演会『障害のある方の
「働く」を考える パート7~大学からのキャリア形成~』を会場(千代田区)と
オンラインで開催する。障害のある大学生の現状と課題、大学からのキャリア形成
という視点で学ぶ。参加無料。要事前申込。要約筆記有。手話通訳応相談。
https://www.mm-chiyoda.or.jp/events/2022-04-28/12551