メールマガジン労働情報 No.1686

■□――【メールマガジン労働情報/No.1686】

経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」に下方修正/5月・月例経済報告 ほか

―2021年5月28日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」に下方修正/5月・月例経済報告 ほか
【統計】4月の完全失業率2.8%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査 ほか
【労使】「コロナ禍における雇用・労働対策に関する緊急要望」を発表/日商・東商
【企業】三井物産、ワクチン接種時は勤務扱い 国内全社員対象、コロナ対策
【海外】米国救済計画法と失業保険加算措/アメリカ ほか
【イベント】「テレワーク・ワンストップ相談窓口」を開設/東京都

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20210528.html

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【新型コロナウイルス感染症関連情報】
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☆JILPTリサーチアイ 第63回
 「コロナ離職と収入低下」
  雇用構造と政策部門 主任研究員 高橋 康二(5月27日)

 本稿では、新型コロナウイルス感染拡大にともなう勤務先の離職(コロナ離職)
がどのような帰結をもたらすのか、不利な帰結をもたらすとしたら、それはなぜなのかを
検討する。結論として、コロナ離職者は転職・再就職後に収入が低下する確率が高い
ことが明らかになる。また、その理由として、会社都合離職率の高さ、転職・再就職の
過程での産業間移動率の高さが関係していることが示される。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/063_210527.html

☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報(5月28日更新)
  国内統計(完全失業率)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c06.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆『労働関係法規集2021年版』発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2021年版では「公益通報者保護法」「労働者災害補償保険法」
「雇用保険法」等の改正のほか、「労働者協同組合法」「新型コロナウィルス感染症等の
影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律」等を新規収録しています。
【B6判変型1,070頁 定価:1,650円(本体1,500円) 3月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

☆新刊『団結と参加 労使関係法政策の近現代史』発売中!

―世界の集団的労使関係法制の歴史をコンパクトにまとめた学術的テキスト―
 労働分野では個別労働関係に関わる研究が圧倒的な日本。しかし、世界に目を転じると、
今なお集団的労使関係法制の存在感は大きく、その改定が政治的対立の焦点になっています。
本書は世界の集団的労使関係の歴史を法的視点から改めて見直し、新たな捉え方、考え方を
示唆する1冊です。
【A5判320頁 定価:3,850円(本体3,500円) 3月31日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/danketsusanka.html

◇ブックレット『新型コロナウイルスと労働政策の未来』発売中!

 本書は、昨年8月20日に開催された東京労働大学特別講座「新型コロナウイルスと
労働政策の未来」の内容を、関連する背景資料と併せてブックレットとして
とりまとめたものです。
【A5判134頁 定価:1,100円(本体1,000円) 12月21日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/01.html

◇『日本労働研究雑誌』2021年6月号発売中!
 [特集]労働者を守る公的機関のいま
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/06/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2021年6月号発売中!
 「コロナ禍での働き方をめぐる動き」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/06/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2021年6月号を刊行!
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

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【行政】
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●経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」に下方修正/5月・月例経済報告

 政府は26日、5月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「依然として厳しい
状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」
に下方修正した。個別の業況判断では、雇用情勢は「弱い動きとなっているなかで、
雇用者数等の動きに底堅さもみられる」で据え置き。下方修正は、個人消費(「サービス
支出を中心に弱い動きとなっている」)、業況判断(「厳しさが残るなかで、持ち直しの
動きに足踏みがみられる」)。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2021/0526getsurei/main.pdf
(関係閣僚会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2021/05kaigi.pdf

●派遣労働者の雇用維持等について要請/厚労省 新型コロナウイルス感染症関連

 厚生労働省は25日、労働者派遣事業者団体及び経済団体に対して、新型コロナ
ウイルス感染症に係る派遣労働者の雇用維持等について要請した。派遣元に対しては、
労働者派遣契約の解除、不更新の場合は、派遣先での直接雇用依頼や新たな派遣先の提供
などの労働者派遣法の雇用安定措置義務を適切に果たすことなどを、派遣先に対しては、
派遣契約の安易な解除を控えること、やむを得ず契約解除や不更新を行う場合でも、
関連会社での就業などを含めて派遣元とも協力しつつ新たな就業機会の確保を図ること
などを要請している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18842.html
(日本人材派遣協会への要請文)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000783762.pdf
(経団連への要請文)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000783765.pdf

●「過労死等防止対策大綱」の改定案を公表/厚労省

 厚生労働省は25日、第20回「過労死等防止対策推進協議会」で「過労死等防止対策大綱」
の改定案を公表した。2018年7月に閣議決定された前回の「大綱」後の状況について、
働き方改革推進法等による取組が進められているが、過労死ゼロの社会の実現には
ほど遠いとし、新型コロナウイルス感染症の対応等のために発生する過重労働によって
過労死等が発生しないよう、対策を一層推進する必要があるなどとしている。同大綱は、
過労死等防止対策推進法に基づき2015年7月に策定された後、3年ごとに見直しを
行っている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18844.html
(全体版資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000783734.pdf

●外国人技能実習制度について説明した動画を公表/出入国在留管理庁

 出入国在留管理庁は20日、外国人技能実習制度について説明した動画を公表した。
外国人技能実習制度の概要や仕組み、代表的な支援や相談先の紹介、出入国在留管理庁の
紹介映像、空港での出入国手続の案内、不法就労防止対策などが掲載されている。
ベトナム語、インドネシア語、中国語、タガログ語等9カ国の字幕付版も公表している。
http://www.moj.go.jp/isa/about/pr/nyuukokukanri01_00182.html

●企業と外国人材に向けたアニメーション動画を公表/ジェトロ

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は19日、企業と外国人材に向けたアニメーション
動画を公表した。企業に向けた動画では、高度外国人材の採用に初めて取り組む
中小企業経営者の視点を通して、採用の意義や採用手法、受け入れ体制の整備
などについて解説している。外国人材に向けた動画では、日本の生活・ビジネスの魅力、
日本で就職先を探すための手法や必要な手続き、日本企業で働く外国人材の事例
などを通じて、日本で働くための情報を紹介している。
https://www.jetro.go.jp/news/announcement/2021/0cc0213cd9fc1162.html

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【統計】
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●4月の完全失業率2.8%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査

 総務省は28日、2021年4月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月に比べ0.2ポイントの上昇。
完全失業者数は209万人(前年同月比20万人増)で、15カ月連続の増加。
就業者数は6,657万人(同29万人増)、雇用者数は5,945万人(同22万人増)で、
ともに13カ月ぶりの増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●4月の新規求人、「教育・学習支援業」は前年同月比43.6%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は28日、「一般職業紹介状況」を公表した。2021年4月の有効求人倍率
(季節調整値)は1.09倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人倍率(同)は1.82倍で、
同0.17ポイント低下。新規求人(原数値)は、前年同月比で15.2%増。産業別では、
教育・学習支援業(43.6%増)、製造業(32.8%増)などで増加した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18738.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000771732.pdf

●基調判断「改善を示している」に上方修正/3月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は26日、2021年3月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差3.1ポイント上昇の93.0(速報値は93.1)。
基調判断は、景気動向指数(CI一致指数)は「改善を示している」に上方修正
(速報と同じ)。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202103rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

●介護サービス受給者446万3,300人/介護給付費等実態統計(2月)

 厚生労働省は26日、「介護給付費等実態統計月報」(2021年2月審査分)を
公表した。受給者総数は、介護サービス446万3,300人、介護予防サービス81万9,200人、
受給者1人当たり費用額は、介護サービス19万5,000円、介護予防サービス2万7,500円。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2021/dl/202102_gaiyou.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2021/02.html

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【労使】
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●「コロナ禍における雇用・労働対策に関する緊急要望」を発表/日商・東商

 日本商工会議所及び東京商工会議所は25日、「コロナ禍における雇用・労働対策
に関する緊急要望」を発表した。緊急要望では、雇用調整助成金の特例措置は当面、
現行水準を維持した上で延長すべきであること、雇用吸収力がある産業や成長分野への
「失業なき労働移動」を円滑に進めること、地方を含めた中小企業において
テレワーク等の柔軟な働き方を一層推進すること、などを求めている。
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2021/0525140001.html
(要望書)
https://www.jcci.or.jp/20210525_kinkyuyoubou.pdf

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【企業】
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●三井物産、ワクチン接種時は勤務扱い 国内全社員対象、コロナ対策

 三井物産は21日、国内の全社員を対象に、新型コロナウイルスのワクチン接種を
就業時間内に受けることを認め、接種時も出勤扱いにすると発表した。付き添いが
必要な家族が接種する場合についても、その時間を勤務扱いとする。(時事通信)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kigyo/20210528.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽米国救済計画法と失業保険加算措置

 バイデン大統領は3月12日、総額1兆9,000億ドル規模の経済・雇用対策を
内容とする「米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021)」に署名した。
個人への3回目の直接給付(一人あたり1,400ドル)や失業保険給付の加算・特例措置の
9月6日までの再延長などを盛り込んだ。同大統領が就任前の1月14日に発表した
「米国救済計画」をもとに法制化した。失業保険給付の加算措置等については、
「就職意欲を阻害している」との見方から、半数近くの州が6~7月中にも
打ち切る意向を表明している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/05/usa_01.html

<フランス>
▽コロナ後を見据えた若年者就労支援策

 カステックス首相は労使代表を集めた社会対話会議を3月15日に開催し、
直近の新型コロナウイルスの感染拡大は厳しさを増す傾向にあるが、
一連の支援策の出口戦略を示す必要性を改めて強調した。首相は、特に
若年者支援について言及し、将来を見据えて社会的保護を保障するとともに、
専門性を高めることによって長期雇用へと導く方策に注力する考えを示した。
また、昨年に引き続き、コロナ禍の影響を受けた就労者の支援策として
特別賞与の非課税措置を実施する考えを表明した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/05/france_01.html

<インド>
▽コロナ感染者の爆発的な感染拡大に対する大企業の取り組み

 インドでは2021年3月下旬から新型コロナウイルス感染が急拡大し、
4月6日には1日の新規感染者数が10万人を超え、4月30日には40万人を超えた。
企業の感染拡大防止のための取り組みとして、ワクチン接種をした従業員以外は
出勤を禁止し休暇を取得するよう促したり、ワクチン接種が開始されるまで
操業の一時停止を決定する企業もある。ワクチン接種は3月までは中央政府
による規制の下にあったが、4月初旬に緩和が決定され、州政府の裁量が
取り入れられたほか、民間企業による従業員のワクチン接種が可能になった。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/05/india_01.html

●長時間労働が心臓病と脳卒中による死亡者を増加させる可能性を指摘/ILO・WHO

 ILOは17日、世界保健機関(WHO)とまとめた研究論文を発表した。長時間労働
によって虚血性心疾患及び脳卒中で亡くなった人は、2016年に74万5,000人
(2000年比29%増)。2000~16年の間に長時間労働によって心臓病で死亡した人は42%、
脳卒中によって死亡した人は19%増加したとしている。2つの疾患と長時間労働との
関係についての初めての世界規模での分析であるとし、労働時間の上限、休息時間、
年次有給休暇、夜間労働者の保護など、労働時間に関する国際労働基準の批准、
実施のための政策の策定などの措置を導入するよう政府、使用者、労働者に提案している。
https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_792277/lang--ja/index.htm

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【イベント】
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●「テレワーク・ワンストップ相談窓口」を開設/東京都

 東京都は、テレワークの導入・運用時における様々な疑問や課題に対して、
社会保険労務士やIT等の専門家がオンラインで助言する「テレワーク・ワンストップ
相談窓口」を開設している。相談窓口は、都内企業の経営者や人事労務担当者
に加えて、従業員個人の方の利用も可能。予約日はカレンダーより指定(9時~16時)、
相談時間は60分程度。
https://workstyle.metro.tokyo.lg.jp/soudan/tel/