メールマガジン労働情報 No.1687

■□――【メールマガジン労働情報/No.1687】

ものづくり企業におけるデジタル技術の活用と人材育成に向けた取り組みなどを紹介/20年度版ものづくり白書 ほか

―2021年6月2日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】ものづくり企業におけるデジタル技術の活用と人材育成に向けた取り組みなどを紹介/20年度版ものづくり白書 ほか
【統計】基調判断「生産は持ち直している」で据え置き/4月鉱工業指数 ほか
【労使】コロナ禍でも賃上げの流れが継続と評価/連合の2021春季生活闘争中間まとめ ほか
【動向】企業の約37%が正社員不足/民間調査 ほか
【企業】全社員にワクチン接種のための特別有給休暇を付与/モスフードサービス
【イベント】テレワークセミナー/東京テレワーク推進センター ほか

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20210602.html

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズ No.210『新しいデジタル技術導入と労使コミュニケーションに関する研究』

 AI、IoT、ロボット、RPA、ビッグデータ等の新技術導入の際の労使コミュニケーションの
傾向と課題について調査しました。その結果、新しいデジタル技術を導入する目的は、
「定型的な業務の効率化、生産性の向上」であり、導入の「効果」もそうした点に注目
していること、企業は「経営判断」であることを理由に、新技術導入に際して従業員側
との協議が必須だとは考えておらず、過半数は事前協議を「行っていない」ことなどが
分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/210.html

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【新型コロナウイルス感染症関連情報】
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☆JILPTリサーチアイ 第63回
 「コロナ離職と収入低下」
  雇用構造と政策部門 主任研究員 高橋 康二(5月27日)

 本稿では、新型コロナウイルス感染拡大にともなう勤務先の離職(コロナ離職)
がどのような帰結をもたらすのか、不利な帰結をもたらすとしたら、それはなぜなのかを
検討する。結論として、コロナ離職者は転職・再就職後に収入が低下する確率が高い
ことが明らかになる。また、その理由として、会社都合離職率の高さ、転職・再就職の
過程での産業間移動率の高さが関係していることが示される。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/063_210527.html

☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報(6月1日更新)
  国内統計(売上高、営業利益、経常利益、設備投資)
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c16.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆ホームページ停止のお知らせ

 メンテナンスのため、下記の期間、当機構ホームページ(蔵書DB・論文DB・調査研究成果DBを含む)を停止いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
<6月9日(水曜)18時~22時>

☆『労働関係法規集2021年版』発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2021年版では「公益通報者保護法」「労働者災害補償保険法」
「雇用保険法」等の改正のほか、「労働者協同組合法」「新型コロナウィルス感染症等の
影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律」等を新規収録しています。
【B6判変型1,070頁 定価:1,650円(本体1,500円) 3月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

☆新刊『団結と参加 労使関係法政策の近現代史』発売中!

―世界の集団的労使関係法制の歴史をコンパクトにまとめた学術的テキスト―
 労働分野では個別労働関係に関わる研究が圧倒的な日本。しかし、世界に目を転じると、
今なお集団的労使関係法制の存在感は大きく、その改定が政治的対立の焦点になっています。
本書は世界の集団的労使関係の歴史を法的視点から改めて見直し、新たな捉え方、考え方を
示唆する1冊です。
【A5判320頁 定価:3,850円(本体3,500円) 3月31日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/danketsusanka.html

◇ブックレット『新型コロナウイルスと労働政策の未来』発売中!

 本書は、昨年8月20日に開催された東京労働大学特別講座「新型コロナウイルスと
労働政策の未来」の内容を、関連する背景資料と併せてブックレットとして
とりまとめたものです。
【A5判134頁 定価:1,100円(本体1,000円) 12月21日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/01.html

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【行政】
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●ものづくり企業におけるデジタル技術の活用と人材育成に向けた取り組みなどを紹介/20年度版ものづくり白書

 政府は5月28日、2020年度版「ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)
を閣議決定した。国内の製造業就業者数は、2002年から2020年にかけての約20年間で
157万人減少し、全産業に占める割合も減少傾向である。若年就業者数も約20年間で
3割以上(125万人)減少した。また、ものづくり企業でデジタル技術を「活用している」
とした企業は54.0%、主力製品の製造に当たり重要となる作業の5年後の見通しについて、
「今までどおり熟練技能が必要」と回答した企業割合が多くの作業内容で50%を
超えていることなどが分かった。
(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_18886.html
(経済産業省Webサイト)
https://www.meti.go.jp/press/2021/05/20210528002/20210528002.html
(ものづくり白書全体版)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2021/pdf/all.pdf
▽白書に引用されたJILPTの調査研究成果
 記者発表「ものづくり産業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した人材の確保・育成や働き方に関する調査」結果(5月21日)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210521.pdf

●雇用調整助成金の特例措置等、7月末まで延長/厚労省 新型コロナウイルス感染症関連

 厚生労働省は5月28日、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金・
緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について、
現行の特例措置を6月末から7月末まで延長すると公表した。雇用調整助成金は、
緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の地域の飲食店や、売り上げが3割以上
落ち込んだ企業などに対して、休業手当の全額(日額上限1万5,000円)を助成。
その他の中小企業は助成率が9割、大企業は4分の3(日額上限1万3,500円)
となっている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/r307cohotokurei_00001.html
(雇用調整助成金)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
(助成内容)
https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000785163.pdf

●「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」(仮称)を支給/厚労省 新型コロナウイルス感染症関連

 厚生労働省は5月28日、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」
(仮称)を支給すると公表した。対象は、緊急小口資金等の特例貸付を利用できない
世帯で一定の要件を満たす生活困窮世帯。支給額(月額)は、単身世帯6万円、
2人世帯8万円、3人以上世帯10万円。支給期間は、7月以降の申請月から3カ月
(申請受付は8月末まで)としている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18954.html
(生活困窮者自立支援金」(仮称))
https://www.mhlw.go.jp/content/12003000/000786268.pdf

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【統計】
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●基調判断「生産は持ち直している」で据え置き/4月鉱工業指数

 経済産業省は5月31日、2021年4月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を
公表した。生産指数(季節調整値)は99.6で、前月比2.5%の上昇。業種別では、
汎用・業務用機械工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業等が上昇し、
自動車工業、輸送機械工業(除.自動車工業)、プラスチック製品工業が低下した。
出荷は同2.6%の上昇、在庫は同0.1%の低下、在庫率は同1.8%の低下。
基調判断は「生産は持ち直している」で据え置き。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202104sj.pdf

●消費者マインドの基調判断、「持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正/5月消費動向調査

 内閣府は5月31日、2021年5月の「消費動向調査」結果を公表した。
「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.6ポイント
低下して34.1。指数を構成する各消費者意識指標は、「雇用環境」「収入の増え方」
「暮らし向き」は前月から低下し、「耐久消費財の買い時判断」は前月と変わらず。
消費者マインドの基調判断は、「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが
続いている」から「持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
(統計表等)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html

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【労使】
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●コロナ禍でも賃上げの流れが継続と評価/連合の2021春季生活闘争中間まとめ

 連合(神津里季生会長、約689万人)は1日、オンラインで中央委員会を開催し、
2021春季生活闘争の中間まとめを確認した。中間まとめは、妥結内容が確認できる
組合の半数近くが賃金改善分を獲得していることなどから、「コロナ禍においても
賃上げの流れが継続していると受け止める」と総括。平均賃金方式での賃上げ率は
最新の集計時点で1.81%と前年同時期を下回るものの、中小の賃金改善分の
引き上げ率が全体平均を上回っていることなどから、格差是正についても
「前進している」と評価した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20210602a.html

●単組の奮闘で賃金改善の流れが継続と評価/JAMの2021春季生活闘争中間総括

 機械、金属関連の中小労組を多く抱える産別労組のJAM(安河内賢弘会長、約37万人)は
5月28日、オンラインで中央委員会を開催し、2021春季生活闘争の中間総括を確認した。
最新の集計では、賃金改善分の獲得額の平均は1,306円となっており、中間総括は
「厳しい企業状況の中においても、単組の奮闘が賃金改善の流れを継続した」と
評価している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20210602b.html

●大手企業の賃上げ6,040円、1.82%アップ/経団連

 経団連は5月28日、「2021年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況」
(第1回集計)を発表した。調査対象である従業員500人以上の主要21業種
大手249社のうち、回答が示されたのは19業種136社。うち平均金額が不明等の
47社を除く89社の賃上げ妥結水準は、加重平均で6,040円(前年同期6,745円)、
1.82%(同2.03%)のアップ。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/046.pdf

●5月の中小企業の景況感は厳しい状況が続く/日商LOBO調査

 日本商工会議所は5月31日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を
発表した。5月の業況DI(全産業合計)はマイナス25.0で、前月比0.3ポイントの上昇。
半導体・電子部品関連や自動車関連の製造業・卸売業が堅調に推移した一方で、
小売業では業況が悪化した。また、外食・観光関連では業績改善への対応に苦慮している
状況がうかがえるほか、原材料費上昇によるコスト増加が業種を問わず、広く業況の
押し下げ要因となっており、中小企業の景況感は厳しい状況が続くとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2021/0531110000.html

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【動向】
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●企業の約37%が正社員不足/民間調査

 帝国データバンクは5月26日、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を
発表した。正社員が不足している企業は37.2%(前年同月比6.2ポイント増、
2年前比13.1ポイント減)。1回目の緊急事態宣言の最中であった1年前と
比較すると人手不足割合は増加しているものの、感染の影響を受けていない
2年前からは10ポイント以上も下回った。業種別では、「メンテナンス・
警備・検査」、「教育サービス」がともに55.6%で最高。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210506.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210506.pdf

●上場企業の約18%で雇用調整助成金を活用/民間調査

 東京商工リサーチは5月27日、上場企業を対象とした第6回「雇用調整助成金」
調査結果を発表した。4月末までに決算資料で雇用調整助成金を計上、または申請が
判明した上場企業は716社で、上場企業全体の18.6%にあたる。業種別では、製造が
278社で最多、次いで、観光を含むサービス141社、小売136社など。需要回復が厳しい
業種を中心に、今後も雇用調整助成金の申請、計上額はさらに増えるとみられる
としている。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210527_04.html

●中小企業製造業の従業員判断、残業時間DI、いずれも上昇/中小企業景況調査

 日本政策金融公庫は5月28日、中小企業景況調査(2021年5月)結果を発表した。
製造業の従業員判断DI(不足-過剰)は、マイナス3.1(前月比4.7ポイント上昇)、
残業時間DI(「増やしている」-「短縮化」企業割合)は、マイナス12.8(同1.9ポイント上昇)。
売上げDI(増加-減少)は、マイナス0.4(同1.5ポイント低下)。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/keikyoyouyaku_2105.pdf
(全文)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/keikyo_210528.pdf

●コロナ禍でも企業の中途採用意欲は変わらず/民間調査

 リクルートは5月31日、「中途採用に関する人事担当者向け調査(2021)」
結果を発表した。2021年度の中途採用を増やす企業は23.0%、昨年度と同等の
企業は49.9%で、コロナ禍においても企業が積極的な中途採用計画を維持している
ことがうかがわれる。中途採用に向けた人事施策では、新しい取り組みを検討
していると回答した企業は56.7%で、施策の内容は「兼業・副業容認などの
人事制度改革」(18.6%)、「新しい採用ブランディング施策の実施」(17.0%)、
「地域限定社員の導入」(15.8%)など。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20210531_hr_01.pdf

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【企業】
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●全社員にワクチン接種のための特別有給休暇を付与/モスフードサービス

 株式会社モスフードサービスは5月31日、新型コロナウイルス感染症の早期収束のため、
全社員にワクチン接種のための特別有給休暇を付与すると発表した。社員または介助が
必要な家族がワクチンを接種する場合、「ワクチン休暇」を1日、特別有給休暇として
付与する。グループ直営店舗キャスト(パート・アルバイト)がワクチンを接種する場合は、
就業したとみなす手当を1日につき3,000円支給する。対象期間は5月31日から
2022年2月末まで。
https://www.mos.co.jp/company/pr_pdf/pr_210531_1.pdf

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【イベント】
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●テレワークセミナー/東京テレワーク推進センター

 東京テレワーク推進センターは、テレワークに関するセミナーを毎月開催している。
6月は8、15、21、24日にオンラインで開催する。オフィスとサテライトオフィスの
活用ポイント、テレワークによる障がい者雇用、テレワーク就業の求人・採用の工夫と
人材活用、テレワークの労務管理などについて説明する。国や都の支援事業の紹介も行う。
参加費無料。要事前予約。定員各回300名。
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent

●「新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金」のご案内/東京しごと財団

 東京しごと財団では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を理由として、
国が実施する雇用調整助成金等を活用し、非常時における勤務体制づくりなど
職場環境整備に取り組む企業に奨励金を交付している。申請受付期間は
6月30日まで。交付金額は1事業所10万円(1回のみ)。詳しくは「募集要項」
のページまで。
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/syourei.html
(募集要項)
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/syourei.html