2024年の育児休業取得者数が過去最高、男性も30%を超過

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雇用労働部は2025年2月23日、2024年の育児休業取得者数が過去最高の132,535人を記録し、男性の育児休業取得者数も41,829人で全体の31.6%を占めたと発表した。2024年の育児期労働時間短縮の利用者数は26,627人で前年より3,439人(14.8%)増加した。

男性の育児休業取得率が初めて3割を超える

2024年の育児休業給付金受給者数(育児休業取得者数)は132,535人で2023年の126,008人から6,527人(+5.2%)増加した。出生児数の減少傾向により、2023年はやや減少したが、2024年は仕事と家庭の両立支援制度の拡充により再び増加に転じた(表1)。

表1:育児休業給付金の受給者数(単位:人)と男女比
  合計 男性 女性
2015 87,339 4,872 5.6% 82,467 94.4%
2016 89,795 7,616 8.5% 82,179 91.5%
2017 90,122 12,042 13.4% 78,080 86.6%
2018 99,199 17,662 17.8% 81,537 82.2%
2019 105,165 22,297 21.2% 82,868 78.8%
2020 112,038 27,421 24.5% 84,617 75.5%
2021 110,555 29,041 26.3% 81,514 73.7%
2022 131,084 37,884 28.9% 93,200 71.1%
2023 126,008 35,336 28.0% 90,672 72.0%
2024 132,535 41,829 31.6% 90,706 68.4%

出所:雇用労働部報道発表資料(2025年2月24日)及び統計庁ホームページ「出産及び育児休業給付受給者の現状」のデータより作成。

特に、男性は41,829人で全体の31.6%を占め、初めて3割を超えた。男性の育児給付金受給者数は、2015年の4,872人(5.6%)から2024年までの10年間で約9倍に増加した。これは子どもの生後18カ月以内に両親ともに6カ月の育児休業を取得する場合、月最大450万ウォン(夫婦合計900万ウォン)まで育児休業給付金を支給するよう2024年に制度が拡充された影響が大きい。改正前は、生後12カ月以内に両親がともに3カ月の育児休業を取得する場合、月最大300万ウォン(夫婦合計600万ウォン)の給付金を支給していた。この制度の利用数は2023年の23,910人から2024年は51,761人へと2.16倍増加した。

子どもの年齢別に見ると、親による育児が最も必要な生後12カ月以内の育児休業給付金受給者数が増加し、女性は80.0%(+2.1ポイント)、男性は46.5%(+7.5ポイント)が子どもの0歳時に育児休業を取得していた。

企業規模別に見ると、2024年の中小企業(雇用保険法上の優先支援対象企業(注1))の育児休業給付金受給者数は75,311人(56.8%)で、2023年の70,095(55.6%)人から1.2ポイント増加した(表2)。

表2:企業規模別育児休業給付金受給者数
  2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
大企業 52,113 46.5% 51,868 46.9% 59,738 45.6% 55,913 44.4% 57,215 43.2%
中小企業 59,925 53.5% 58,687 53.1% 71,346 54.4% 70,095 55.6% 75,311 56.8%
合計 112,038 110,555 131,084 126,008 132,535

注:2024年は分類不能9人が大企業・中小企業欄で未集計。

出所:雇用労働部報道発表資料(2025年2月24日)

育児期労働時間短縮制度の利用者数が14.8%増加

2024年の育児期労働時間短縮制度の利用者数は26,627人で2023年の23,188人から3,439人(14.8%)増加した(表3)。2019年に、育児休業とは別に育児期労働時間短縮を1年間取得できるよう制度が改正されて以降、増加傾向が続いている。

表3:育児期労働時間短縮制度の利用者数
  合計 男性 女性
2017年 2,821 321 11.4% 2,500 88.6%
2018年 3,820 550 14.4% 3,270 85.6%
2019年 5,660 742 13.1% 4,918 86.9%
2020年 14,698 1,639 11.2% 13,059 88.8%
2021年 16,689 1,632 9.8% 15,057 90.2%
2022年 19,466 2,001 10.3% 17,465 89.7%
2023年 23,188 2,415 10.4% 20,773 89.6%
2024年 26,627 3,270 12.3% 23,357 87.7%

出所:雇用労働部報道発表資料(2025年2月24日)

企業規模別に見ると、中小企業(優先支援対象企業)の利用者が全体62.8%(16,718人)を占め、育児休業給付金(56.8%)よりも割合が高く、中小企業で制度がより活用されている(表4)。特に、10人未満の小規模企業が24%を占め、育児期労働時間短縮制度の活用度が高い。

表4:企業規模別育児期労働時間短縮給付金受給者
  2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
大企業 5,282 35.9% 5,600 33.6% 6,768 34.8% 8,249 35.6% 9,907 37.2%
中小企業 9,416 64.1% 11,089 66.4% 12,698 65.2% 14,939 64.4% 16,718 62.8%
合計 14,698 16,689 19,466 23,188 26,625

出所:雇用労働部報道発表資料(2025年2月24日)

子どもの年齢別に見ると、全年齢層に均等に分布しているが、0~1歳の利用割合が38.4%で最も高く、次いで6~7歳の利用割合が22.5%と高い。育児期労働時間短縮制度の平均利用時間は週12.3時間(1日平均約2.5時間)で、短縮時間が1日平均2時間以下の割合が全体の65.8%を占めている。

仕事と家庭の両立支援制度が2025年から大幅に拡充

育児休業給付金の支給額は2025年1月1日から、従前の通常賃金の80%、月上限150万ウォンから、最初の3カ月は通常賃金の100%(月上限250万ウォン)、4~6カ月は通常賃金の100%(月上限200万ウォン)、7カ月以降は通常賃金の80%(月上限160万ウォン)に引き上げられた。また、給付金の25%を事後支給する方式が廃止され、育児休業期間中に全額支給されるようになった(育児休業12カ月利用時、最大2,310万ウォン支援)。

子どもが生後18カ月以内の両親がともに育児休業制度を利用する場合、最初の月の給付金が200万ウォンから250万ウォンに引き上げられた(2~6カ月の給付金は従前と同じ)。 2025年1月1日からの給付金の額は、1~2カ月が250万ウォン、3カ月が300万ウォン、4カ月が350万ウォン、5カ月が400万ウォン、6カ月が450万ウォンである。片親が利用する場合も最初の3カ月間の給付金が最大300万ウォンに引き上げられた。

昨年国会で成立した「子育て支援3法」(注2)が2025年2月23日から施行され、育児期労働時間短縮制度の対象年齢が8歳から12歳に引き上げられ、小学校6年生まで利用できるようになった。短縮時間に対する給付金(週10時間短縮時、最大月55万ウォン支援)と利用期間(最大2年→3年)も拡充された。

また、育児休業取得者の代替人材を雇用する中小企業に対する支援金が2024年の月80万ウォンから2025年は月120万ウォンに拡充され、派遣労働者を代替人材として使用した場合も対象とされた。また、育児休業・育児期労働時間短縮の利用者の業務を分担する同僚に金銭的支援を行った中小企業に対して、業務分担支援金として月20万ウォンを支援する(注3)

キム・ムンス雇用労働部長官は「働く親なら誰でも安心して出産と育児ができ、キャリアを続けられるように、今年拡大された仕事と家庭の両立制度が現場に定着するように努力する」と述べた。

参考資料

参考レート

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