週休3日制を段階的に導入

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  • 国別労働トピック:2019年1月

中国社会科学院は、「2017-2018年中国レジャー発展報告」にて、2030年までに全省で「週休3日制」を導入し、法定労働時間を週4日・1日9時間の週36時間にすることを提言した。

従来の労働時間制度と政策

1995年、『労働者の労働時間に関する国務院の規定』が発布され、同年5月1日から1日8時間、週40時間の新しい労働時間基準制度(週休2日制)が開始した(注1)。また、「労働法」(1995年)では、雇用側が労働者に毎週少なくとも1日の休みを保障するべきである(第38条)と規定している。

政府はまた、2016年、旅行・観光の活性化を促進するため、土日に加え、金曜の午後を半日休とする「週休2.5日制」を一部地域で導入した。当時、11省・市が「週休2.5日制」の奨励策を打ち出したが、実際に試行・導入されたのは5地域(注2)のみであった。それらの都市では、4月から10月にかけて毎月2回、金曜日午後以降に勤務を休止し、実務へのマイナス影響を与えないように従業員が交替で休みがとられている。

週休3日制が一部地域・企業で2020年より開始

中国社会科学院は、2018年7月、「2017-2018年中国レジャー発展報告」を発表、さらなる労働時間の短縮を提言した。「報告」によれば、週休3日制の実現に向け、地域・企業別に3段階での導入が予定される。まず、2020-2025年、中国東部地域の国有企業で試行・導入、次に、2025-2029年、東部地域の全企業に拡大、最後に、2030年から全国範囲で実施の見込みだ。

労働の実態

大手人材サービスの智聯招聘(Zaopin Limited)による「2017年ホワイトカラー満足度指数調査報告」(注3)によると、85%のホワイトカラーが毎週残業し、7.9%は残業時間が週20時間以上にのぼる。また、CCTVや中国国家統計局などが協同で行った「中国経済生活大調査」によると、2017年の中国人の余暇時間(就労と睡眠を除く時間)は1日あたり2.27時間であり、アメリカ、ドイツ、イギリスなどの半分ほどにすぎなかった。

労働の実態として、有給休暇の取得が困難だという点も挙げられる。2008年に発布された「有給休暇条例」に基づき、従業員は当年度有給休暇中に通常勤務期間と同額の賃金収入を得ることができる(第2条)。また、従業員の累計勤務年数が1~10年未満の場合は5日間、同10~20年未満の場合は10日間、同20年以上の場合は15日間の有給休暇がそれぞれ付与される(第3条)。これに対し、中国社会科学院旅行研究センターが中国の2552名の従業員を対象に行った調査では、「有給休暇なし」40.1%、「有給休暇はあるが取得できず」4.1%、「有給休暇はあり、取得できるが、自由に取得できず」18.8%、「有給休暇はあり、自由に取得できる」31.1%という結果となった。智聯招聘「2017年ホワイトカラー満足度指数調査報告」では、ホワイトカラー従業員の33.3%が休暇を取れず、25.5%が5日以下の休暇を取ると回答した。

労働時間を短縮する方向へ法整備が進んでいるが、実態と法律との乖離は大きい。

参考文献

  • 中国新聞網、新京報、光明網、斉魯晩報

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