移民出身者の暴動
―不法滞在者を強制送還へ
フランス中部・南東部で移民出身者が関係した事件があり、暴動へと発展した。サルコジ大統領はこの対応に関し、関係閣僚を集めた会合で、移動生活者の違法キャンプの撤去や不法滞在者の強制送還を進めると発表した。また、警察官や憲兵隊員を襲撃した犯人が外国出身のフランス国籍取得者の場合、国籍を剥奪する方針を明らかにした。
事件が起こったのは7月16日、フランス南東部のグルノーブルでカジノに強盗に入った男と警察が撃ち合いとなり男が死亡した。そのため、男の住んでいた地区で警察に対する反感が強まり、車や公共施設が焼き討ちに合うなど暴動へと発展した(16日から18日にかけて)。またこれとは別に、フランス中部のサン・テニャン(Saint-Aignan)では、検問を突破した移動生活者の男が警察によって射殺され、それに怒った仲間の移動生活者(移動生活者には、ルーマニアやブルガリア出身者が多くキャンピングカーなどに居住している)らが、警察署を襲撃するなどの騒ぎとなった(17日から18日にかけて)。これら2カ所で起きた暴動の参加者は外国出身者が中心であった。
この一連の騒動の対応に関しサルコジ大統領は28日、関係閣僚を集めた会合で、移動生活者の違法キャンプの撤去や、不法滞在者の強制送還を進めると発表、また30日には警察官や憲兵隊員を襲撃した犯人が外国出身のフランス国籍取得者の場合、そのフランス国籍を剥奪する方針を明らかにした。このような大統領の方針表明に対して、共和国の精神に反するとの批判の声も一部に上がっている。
出所
- Liberation誌、Les Echos誌、海外委託調査員
2010年8月 フランスの記事一覧
- 見習訓練契約が増加―DARES見習訓練制度報告
- 移民出身者の暴動―不法滞在者を強制送還へ
- 若年者の就労支援―特殊雇用契約に関する報告書から
関連情報
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