就業者数は7億7480万人
―08年末の労働・社会保障の統計発表

カテゴリー:雇用・失業問題勤労者生活・意識統計

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  • 国別労働トピック:2009年9月

政府は2008年末における労働及び社会保障関係の主要統計指標を発表した。以下は要旨。

1.労働市場

中国全土の就業者数は7億7480万人となり、前年比で490万人の増加。産業別内訳を見ると、第一次産業に従事する就業者数は3億654万人で全国の39.6%、第二次産業は2億1109万人で27.2%、第三次産業は2億5717万人で33.2%を占めている。なお都市部の就業者数は3億210万人で前年比860万人の増加となっており、対して農民労働者数は2億2542万人で、うち出稼ぎ農民は1億4041万人と発表された。一方、都市部の登録失業者数は886万人で、都市部登録失業率は4.2%であった。

外国人労働者に関しては、外国人就業証を所持して中国で働く外国人数が21.7万人、台湾・香港・マカオの就業証を所持して内地で働く台湾・香港・マカオの人員はあわせて8.9万人であった。

労働市場全体としては、市場監視機能の整備が進み、インターネット募集に関する指導、モデル化が模索され、人的資源の地域開発と地域間協力が積極的に推進されている。この結果、全国の職業紹介機関は総数3万7208カ所となり、うち2万4410カ所が公的職業紹介機関である。公的職業紹介機関では年間で延べ2020万人に職業を斡旋し、斡旋数は前年比で2%の増となった。

2.社会保険

社会保障制度の整備が進んでいる。各種社会保険がカバーする範囲は拡大を続け、保険加入者と基金の規模は引き続き増大している。5種類の社会保険基金収入はあわせて年間1兆3696億元となり、前年比2884億元の増となった。増加率は26.7%。他方基金の支出額も合計9925億元となり、前年比2037億元の増加、増加率は25.8%であった。

  1. 年金保険

    全国の都市部基本年金保険の年末時における加入者数は2億1891万人で、前年比1754万人の増となった。内訳を見ると、雇用労働者の加入者数が1億6587万人、離職者の加入者数が5304万人で、それぞれ前年比で1404万人、350万人増となっている。一方、基本年金保険に加入している農民労働者の数は2416万人で、前年比570万人増であった。 基本年金保険支給対象となる企業退職者はあわせて3461万人で全企業退職者数の73.2%を占め、前年比2ポイントの増であった。企業退職者に対する基本年金支給状況は全てが期限通りに満額支給されるなど改善されてきている。

    この結果、都市部の基本年金保険基金の総収入は9740億元となり、前年比で24.3%の増。このうち保険料徴収収入は8016億元で、前年比23.4%の増であった。各レベルの財政支出による基本年金保険基金への補助金総額は1437億元であり、基金の総支出は7390億元で、前年より239%の増。基本年金保険基金の残高は累計で9931億元となった。

    他方、遼寧省、吉林省、黒龍江省、天津市、山西省、上海市、江蘇省、浙江省、山東省、河南省、湖北省、湖南省、新疆自治区など13の企業従業員基本年金保険個人口座モデルケース実施地域では、基本年金保険の個人口座基金が1100億元あまりに達している。18の省と新疆生産建設兵団は年金保険の省レベルでの統一準備制度を打ち出した。また、山西省、上海市、浙江省、広東省、重慶市の5つの省・直轄市では、事業団体職員の年金保険制度改革のモデル試行実施準備作業が進んでいる。

    現在3.3万の企業に企業年金が構築されており、保険料支給対象従業員数は1038万人にのぼっている。この結果年末時における企業年金基金の累計残高は1911億元となった。

    一方、全国の農村の年金保険加入者数は5595万人で、前年年末より424万人増えた。年間で512万人の農民が年金を受け取ったが、これは前年より120万人の増加であった。年間で支給された年金はあわせて56.8億元で、前年比42%の増加。農村部における年金保険基金の累計残高は499億元であった。年末時、27の省の1201の県で土地を徴用された農民の社会保障給付が実施され、1324万の農民が基本的な生活保障制度または年金保障制度の支給対象となった。

  2. 医療保険

    年末時の全国の都市部基本医療保険の加入者数は3億1822万人で、前年より9511万人増加した。このうち、都市部雇用労働者の基本医療保険の加入者数は1億9996万人で、前年より1976万人の増加、都市部住民の基本医療保険の加入者数は1億1826万人で、前年より7535万人増加した。雇用労働者の基本医療保険加入者のうち、在職者の加入者は1億4988万人、退職者の加入者は5008万人でそれぞれ前年比1568万人増、408万人増となった。対して医療保険に加入している農民労働者は4266万人で、前年より1135万人増加した。

    この結果、都市部の基本医療保険基金の年間総収入は3040億元となり、支出は2084億元でそれぞれ前年比34.7%増、33.4%増であった。都市部基本医療保険基金の累計残高は3432億元となり、このうち統一的準備基金の残高は2290億元、個人口座の蓄積は1142億元であった。

  3. 失業保険

    年末時における全国の失業保険加入者数は1億2400万人で、前年より755万人増加した。このうち、失業保険に加入している農民労働者の数は1549万人で、前年比399万人の増加。一方、失業保険金受給者数は261万人で、前年比で25万人の減少であった。また、労働契約が継続されず、事前に労働契約が解除された農民の契約労働者93万人に対し一括支給の生活補助金が支給された。

    失業保険基金の収入は585億元、支出は254億元で、それぞれ前年比で24%増、16.5%増であった。この結果、失業保険基金の累計残高は1310億元となった。

  4. 労災保険

    年末時における労災保険加入者数は1億3787万人で、前年より1614万人増加した。このうち、労災保険に加入している農民労働者数は4942万人で、前年比962万人増加した。労災の認定を受けた者は95万人で、前年より19万人増加した。また、障害者等級の認定を受けた人の数は38万人で、前年より2万人増えた。労災保険待遇を適用された人数は年間で118万人にのぼり、前年より22万人増えた。年間の労災保険基金の収入は217億元、支出は127億元で、それぞれ前年比で30.9%増、444%増となった。労災保険基金の累計残高は335億元、備蓄金の残高は50億元であった。

  5. 出産保険

    年末時における出産保険加入者数は9254万人で、前年より1479万人増加した。年間ではのべ140万人が出産保険の適用を受け、対象者は前年よりのべ27万人増加した。出産保険基金の収入は114億元、支出は71億元で、それぞれ前年比で36.0%増、28.6%増であった。出産保険基金の累計残高は168億元であった。

  6. 社会保険基金の監督

    基金監督業務が強化され、基金の管理が更に規範化された。企業年金基金の市場化管理が推進され、年末の時点で、38の機構の58の企業年金基金管理資格が認定され、機構が管理運営する企業年金基金投資構成数は588、基金金額は975億元となった。

参考資料

参考レート

  • 1中国人民元(CNY)=13.61円(※みずほ銀行リンク先を新しいウィンドウでひらくホームページ2009年9月8日現在)

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