公務員の定年年齢をめぐる政府の動き
公務員の定年60歳も、政府が検討へ
政府は公務員の定年を60歳に設定する方向で検討に入るようだ。マレーシア人の平均寿命が延びていることなどを理由に、現在の56歳から一気に引き上げることも視野に調査する。
アブドラ首相は5日、「56~59歳の定年は早すぎると思う」と発言。同協会の幹部がスピーチで「定年を60歳に設定すべきだ」と発言したことを引き合いに出し、「見直す価値はある」と語った。特にこうした年齢の公務員がネットワークを築いており、豊富な経験を持っているため、公共サービスに貢献できるとの見方を示した。
一方、首相によると、定年の引き上げに反対する公務員もいるようだ。ポストの空きがなくなり、キャリアアップが困難になることを懸念しているとみられる。首相は、こうした意見にも配慮して検討する方針を示す反面、「56歳は若すぎる」と重ねて強調した。
公務員の労働団体、官公労連会議(CUEPACS)は先に、公務員の定年を少なくとも2年引き上げ、58歳以上に設定するよう要求していた。
教師の需要増加で、65歳に引き上げか
政府は、現在60歳とされている教師の定年を65歳まで引き上げることを検討しているもようだ。教育サービス委員会のラフィー・マハット会長が明らかにした。
1日付ニュー・ストレーツ・タイムズ紙によると、定年引き上げにより、経験豊富な教師を若い教師の指導などに当てる。特に英語の得意な教師を積極的に再雇用し、先に政府が導入を発表した英語力向上計画「ELiTEプログラム」に役立てる。同計画は、小学校1年生にこれまでの2倍以上の週18時間の英語教育を課すなど、英語能力を幼年期から身につけさせる内容となっている。試験プログラムが近く全国50校で導入される予定だ。現在、教師数は全国で30万人だが、同計画の導入により、数千人規模の人材追加が必要になるという。
警察と軍も先に、退役者を再雇用し、研修や若手教育に当てる計画を発表している。
2007年3月 マレーシアの記事一覧
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