AFL-CIOとCTW、議会の中間選挙で共闘論
アメリカ労働組合総同盟・産別会議(AFL-CIO)と勝利のための変革(CTW)は5月9日の記者発表で、11月に行われる議会中間選挙での共闘について暫定的な合意に達したと明らかにした。具体的には、2組織が共同の委員会を立ち上げ、選挙活動での動員や費用負担のあり方について検討を進めるとしている。
2組織間ではこれまで、05年11月に合意した地方共闘のプログラム(連帯加盟許可証プログラム)(注1)の実施をめぐって対立する場面があった。4月24日付のデイリーレーバーレポートによると、問題の発端は1月末、AFL-CIOのスウィニー会長が、AFL-CIOを正式脱退した全米農業労組(UFW、組合員数2万7000人)について、同プログラムへの参加を認めないとの方針を明らかにしたことといわれる。これに対しCTWは、「いかなるCTW系組合の参加も認められるとした11月の合意に反している」と反発し、5月1日以降、傘下組合によるAFL-CIOの地方組織への組合費支払いを停止すると表明していた。こうした事態のなか、AFL-CIOの地方組織は5月4日、連名でCTW傘下組合に公開書簡を送り、「AFL-CIOとの地方共闘を継続するよう要請」していた。
選挙共闘について暫定合意に至った経緯について2組織は、労働組合が総力を結集し政治に対する影響力を高める必要があるとの認識が一致したと発表している。合意の中には、CTWが傘下の組合に対し、組合費支払い停止を実行せず、地方レベルでのAFL-CIOとの共闘を推奨すること、一方AFL-CIOはUFWの地方共闘プログラムへの参加を認めるよう取り計らうことが含まれている。
なお、国際北米労働者組合(注2)(Laborer’s International Union of North America:LIUNA)は、6月1日付けでAFL-CIOを正式脱退し、CTWに正式に加盟すると発表した。LIUNAは、結成時からCTWに参加してきたが、AFL-CIOからの脱退は表明していなかった。AFL-CIOは、LIUNAの脱退について、「全く予想外ではないが、非常に残念なこと」と声明を発表している。LIUNAの脱退により、AFL-CIOは、年間約300万ドルの組合費収入を失うことになる。
注
- プログラムの内容については、当機構ウェブサイト海外労働情報 国別労働トピック(2006年1月
) を参照。
- 主な組織対象は、建設作業員、ゴミ清掃員、石切り作業者、木材伐採人、鉱山労働者、郵便配達人等。2005年現在、55万人の組合員を有する。さらに、郵便配達労働者や退職者から構成される約30万人の副組合員をもつが、副会員は同労組における選挙や団体交渉権を持たない。
2006年6月 アメリカの記事一覧
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- AFL-CIOとCTW、議会の中間選挙で共闘
関連情報
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