「情報通信産業等の労働者の健康」に関する政府調査結果

カテゴリー:労働条件・就業環境勤労者生活・意識

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  • 国別労働トピック:2006年12月

ハイテク労働者は睡眠が問題

行政院労工委員会(CLA)の調査結果によると、情報通信産業のハイテク労働者の多くは、睡眠不足か睡眠の質の悪化に苦しんでいる。この調査はCLAの労工安全衛生研究所が台南郡の南部科学工業園区で上級管理職と現場労働者を含む労働者1589人(平均年齢27.5歳)を対象に実施されたもので、回答者の34%は睡眠の質の悪化を訴えており、79%は睡眠不足、10%は睡眠不足のために仕事や生活に影響が出ていると回答している。

また、調査対象のハイテク労働者の37%が不眠症に悩まされ、56%は朝起きたときに疲労感があり、30%はめまい又は頭痛があるという結果が明らかとなった。また、不眠に悩んでいる労働者のうち82%がプレッシャーを感じているといい、このうち80%はストレスの原因として仕事をあげていること、女性、喫煙者、健康に問題のある人、ストレスを感じている人、換気の悪い場所で生活している人が不眠や睡眠の質の悪化を訴えやすい集団であることが明らかとなった。

しかし、一方では、回答者の睡眠時間は、翌日が出勤日の場合、平均6.8時間であり、翌日が休日の場合は平均8.5時間と比較的長く、安定していることから睡眠の質の悪化や睡眠不足は、あまり深刻とはいえないと分析される。

コンクリート労働者の皮膚アレルギー

CLAが10月に公表した別の調査結果によれば、台湾では、コンクリート労働者の7人に1人が、安全意識と予防手段の欠如から来るアレルギーの結果、皮膚病の犠牲となっている。CLAの労工安全衛生研究所が実施した調査によれば、病気が原因のかゆみと痛みのため、被害者は睡眠不足となり、仕事と生活の質の低下が深刻となっている。

同研究所の職員によれば、コンクリートに含まれる六価クロムがアレルギーの主な原因であり、六価クロムの人体への吸収は、同じくコンクリートに含まれるアルカリによって皮膚が侵されることで増加する。

一部ヨーロッパ諸国ではコンクリート中の六価クロムの水準を2ppm未満に制限しているのに対して、国内で生産されるコンクリートの六価クロムレベルは20ppmに達する場合もあると同研究所職員は指摘している。職員によれば、同研究所ではコンクリート製造業者に対して製品中の危険物質を監視し、改良コンクリート製法を促進するよう指導をおこない、コンクリート労働者に対して作業中はプラスチック製手袋を使用するか保護クリームを塗るよう求めている。改良後の製法でもコンクリートの強度、硬化時間、色に変化はなく、安全なコンクリートへの転換後に皮膚病の労働者の84%で状況が改善していることが証明されている。

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