航空業界で高まる労働不安
燃料費の高騰などで経営不安が深刻化している航空業界で、労働不安が高まっている。昨年1年間で燃料費が74%値上がりした結果、主要7国内線航空会社は、大幅な人員・賃金・福利厚生費カットによる経費節減を実施。ユナイテッド航空とUSエアウェイズはともに会社更生手続下にあり、現行の労働協約を破棄したうえで、低コストの新労働契約の締結を裁判所に申請中。両社は現行の企業年金の廃止も表明している。これに対し、フライト・アテンダント組合は、スト権確保を11月に決議。同組合は、同様に破産申立中のユナイテッド、ATA航空、ハワイ航空でも、スト権確保の用意があると警告している。
連邦法の定めによると、フライト・アテンダントやその他の航空会社職員による協約有効期間中のスト権は認められていない。だが、組合側は、裁判所が労働協約の破棄を妥当とした場合には、団体交渉による合意手続きを経ない新協約内容に対するスト権の合法性を主張。一方、使用者側はストを不法であると訴えている。
国内線航空会社は2000年以降300億ドルもの損失を計上しており、2004年の損失額は55億ドルにのぼる見込み。燃料費の高騰が続けば、2005年の損失額は一層増えると懸念されている。
参考レート
- 1米ドル=102.93円(※みずほ銀行ウェブサイト
2005年1月4日現在)
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