ゼネラル・エレクトリック:子会社の組合が従業員の差別を告訴

カテゴリー:労使関係労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2003年10月

「48歳、4人の子ども、障害者」についての結論は、「交渉を開始せよ」。その後にドルの額が続く。すなわち、望ましくない労働者を排除するための推計コストである。ゼネラル・エレクトリック(GE)・メディカル・システムズ従業員組合連合は、「差別の証拠」となる秘密勤務評定カードを発見した後、ビュック(イブリーヌ県)に所在する同社の経営陣を告訴すると決定し、企業委員会がベルサイユ大審裁判所に不当労働行為の訴えを起こした。

医療器具を専門とするこの企業では、5月6日、ある管理職の電子手帳を操作している時に、50人の従業員中18人が経営陣のブラックリストに掲載されていることを知って驚くことになった。望ましくないと判断される従業員の解雇を準備するために1つのリストが作成されていたからだ。「組合に近い」あるいは「極めて高いリスク:組合代表」などの注釈が掲げられていて、そこに列挙された従業員たちはショックを隠せなかった。

労働総同盟(CGT)のミシェル・ヴァンデナビエール代表は、「製品に適用される品質管理法が今回は冷酷にも人間に用いられた」と話す。というのも、見つけられたカードは親会社の米国企業GEで実施されている「シックスシグマ」と命名された方法に対応しているからだ。その目的は、製品の「欠陥ゼロ」であり、「単位当たりの欠陥、100万個の製品のうち、数個の欠陥という精度、機能低下の確率」を探知することにある。したがって、もともとは人事管理と関係のない方法論である。

しかし、GEメディカル・システムズの1事業所にしか関係のないカードの発見によって、従業員全体に不信感が広がりつつある。自らもリストに掲載されている民主労働同盟(CFDT)のジャック・ヴァロー代表は、「この種の勤務評定制度がGE全体で用いられることをほとんど確信している」と言い切る。

一方、経営側は、「企業が守るべき倫理原則に反する特殊な行為」を糾弾し、複数の従業員に対する制裁を約束した。

フランスで8500人を雇用するGEは10年ほど前から勤務評定制度を実施してきた。従業員はその能力に応じて4段階で評価され、最下位に評価された者は再訓練を促される。組合によると、発見されたカードはこの評価前の準備資料として使われるという。

フランスの司法は米国から導入されたこのような勤務評定慣行に適応し始めている。司法は企業に「従業員の活動」を評価する権利を認めているが、従業員の評価は禁止している。

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