民航の事故は、労務管理に問題

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年8月

中国国際航空公司と北方航空公司の連続した墜落事故の原因調査が進められている中で、パイロットの労務管理に問題がある疑いが出てきた。

中国国際航空公司は、パイロットを約1400人、客室乗務員を1700人抱えているが、その比率は、1対1.2で、パイロットの比率が他の航空会社に比較し高い。この原因は、縁故採用などにより、無計画にパイロットを採用したためである。また、中国国際航空公司は、従来の国有企業の慣習が強く残り、管理部門や事務部門に多くの職員を抱え、こうした人件費が年々増加し、これが、パイロットの給与を低く押さえ、志気に影響していた。特に、入社5年以内にパイロットの給与は安く、不満が大きい。このため、連休などでフライトが増設される時は、パイロットは時間外勤務で増収をめざし、1日10時間以上も連続して勤務する者もでていた。こうした傾向は、北方航空公司にも見られた。

この結果、今回の事故には、組織的な問題に起因した、適正な労務管理や安全基準の整備の遅れが大きく影響したと見られている。

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