パダンで7000人の非常勤教員が条件の改善を求めるデモ
西スマトラ州のパダンで、2002年4月23日、約7000人の非常勤教員達が、州政府に対して、雇用条件の改善と採用政策の見直しを求めてデモを行った。本誌6月号でもお伝えしたように、非常勤の医師らの同様のデモが各地で展開されており、インドネシアの非常勤・短期雇用問題が再び問題になっている。
教員給与は最低賃金以下
4月22・23日に行われたデモでは、州政府が同州の非常勤教員約100人に対し、国立パダン大学で学位を取得するための予算1億8000万ルピアを計上しようとしたことに対して抗議がなされた。
今回のデモを率いたインドネシア非常勤教員連盟パダン支部(IGHI)は、この計画の廃止を求めている。その理由は、非常勤教員の不公平な労働条件改善(給与額の向上)が先に改善されるべきにもかかわらず、学位取得にこのような多額の予算をつけることに対して、予算の無駄遣いだと主張している。
教員らの多くは10?15年間も非常勤の雇用形態で教員を務め、平均月給20万ルピアという最低賃金以下の賃金で教育活動を行っている。この給与では、家族を扶養するには程遠いため、教員の多くが副業を持つという状況だ。
IGHIのナハー代表は、「我々の要求が無視された場合には、ストライキも辞さない構え。西スマトラの7000人の非常勤教員が少しでもよい環境を望んでいる。ストライキを行えば、数千人の子供達に影響があることを州政府は理解して欲しい」と語った。
また、中部ジャワでは、同州の公立小・中・高等学校に勤務する5万人の非常勤講師の月収が最低賃金を下回っていることも明らかとなっている。
州政府の反応と今後の行方
州政府側は、学位取得プログラムはすでに始まってしまったものなので、撤回することはできないとし、プログラムは非常勤教員の技術向上のために必要不可欠であると説明しているという。
インドネシアの教員が低賃金であることはよく知られているが、それゆえの副業や時には児童や親からの賄賂を要求するケースもあるという。同国の労使紛争の多発や貧困問題も、元をたどると不十分な教育制度に行き着く。教員の労働条件を改善し、教育に対するインセンティブを高め、その結果教育の質が向上していくことが、上記の問題解決につながると考えられる。
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