失業率5.7%、引き続き大幅雇用減

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年2月

労働省が2001年12月7日に発表した雇用統計によると、11月の失業率は前月を0.3ポイント上回る5.7%で、95年8月以来、最も高い水準になった。11月の非農業部門雇用者減は33万1000人となり、46万8000人減少した10月に続き、大幅に減少している。雇用減は多くの産業で起きているが、製造業、人材派遣業、運輸産業で特に顕著である。

製造業の中では電子機器(2万9000人)、工業機械(2万6000人)などの産業が引き続き雇用を減らしている。これらの2産業で、2000年7月以来の工場労働者数減少(140万人)の約3分の1を占めた。

一方、サービス産業における11月の雇用減は7万人で、同産業における過去2カ月間の雇用減は22万1000人に達している。中でも、人材派遣業は10月、11月に合わせて18万8000人雇用を減少させている。10月に雇用を大幅に減少させたホテル産業では11月に7000人雇用を減少させた。しかし、医療サービス業では、11月に3万2000人雇用が増加し、年初以来、27万7000人雇用を増加させている。また、9月11日の同時テロ以来、警備サービスで雇用が増加している。

航空産業では11月に4万5000人雇用が減少するなど、運輸業で雇用減(5万4000人)が続いている。

全米経済研究所(NBER)は、米国経済が2001年3月に公式に景気後退期に入ったとしている。3月以来、失業率は1.4ポイント上昇しており、過去6回の景気後退期の平均よりも大きな上昇となっている。季節調整済みの数字で、3月以来雇用減は120万人だが、これは1990年景気後退期の初期8カ月間の雇用減にほぼ匹敵する(ただし、就業者数は現在の方がかなり多い)。失業も長期化しつつある。27週間以上失業している長期失業者は、11月に28万人増の120万人に達し、7月に比べ約2倍の水準になっている。また、11月には一時解雇以外の失業者数が42万7000人増え、340万人になった。これは7月に比べ120万人増加している。

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