6大経済研究所、 2002年度失業者数350万人未満と予測
―春季景気動向・労働市場予測
6大経済研究所の2001年度春季景気動向・労働市場予測が4月10日に発表され、 ドイツの景気は同年前半は若干減速傾向を示すが、 後半は少し持ち直し、 これによって労働市場も大きな影響は受けず、 連邦議会選挙が行われる2002年度の年間失業者数は350万人を割るとの予測が示された。 2002年度の失業者数については、 シュレーダー首相も350万人未満という数字を公約として掲げている。
6大研究所のGDP成長予測は、 2001年度2.1%, 2002年度2.2%であるが、 2001年度については、 年度前半は1.9%で景気は減速し、年度後半は2.3%で景気は回復傾向を示すと予測している。 同研究所は、 2001年度前半はIT不況等米国の景気減速の影響で、 アジア地域の経済成長も減速し、 これがEUしたがってドイツの輸出減少をもたらし、 ひいては年度前半のドイツの景気減速に結びつくとしている。 しかし、 米国の連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げ政策が年度後半には効果を表し、 この影響でアジア地域や欧州の景気も年度後半になって回復し、 ドイツもこの影響を受けて持ち直すとしている。 さらに、ドイツでは2000年度の減税法の成立で、 民間消費が伸びることも大幅な景気減速を阻む要因になるとしている。
このような景気動向予測をもとに、 6大研究所は、 労働市場についても緩やかな改善傾向が継続するとし、 ドイツ全体の就業者数は、 2001年度は3886万9000人、 2002年度は3916万2000人になると予測し、 年間失業者数については、 2001年度は369万5000人、 2002年度は347万人になると予測している。 また年間失業率については、 2001年度は8.7%、 2002年度は8.2%と予測している。ただ、 改善傾向は西独地域に限られ、 東独地域では就業者数は2001年度は若干減少し、 増加に転ずるのは2002年度になってからだとしている。
2002年度の賃金協約交渉については、 6大研究所は純然たる賃上げ闘争にならないように警告し、 2000年度と同様、 賃上げを控え、 有効期間を長く設定した賃金協約の締結を推奨している。 そして協約交渉の妥結額については、 中期的な生産性の向上、 2%以下の物価上昇率、 労働市場状況等に依拠して定めるべきで、 「雇用のための同盟」でもそのための調整を議題とすべきだとしている。 具体的な妥結額については、 同研究所は2.25%から2.5%の範囲を相当としている。
このような6大研究所の提言にもかかわらず、 有力産別労組のうち、 2002年度も控え目な賃上げで妥結する意向を示しているのは鉱山・化学・エネルギー労組(IG BCE)だけで、IGメタルとVerdiは賃上げ幅を増大する意向を示しており、 連邦議会選挙のある2002年度の協約交渉の行方が今から注目される。
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