(香港特別行政区)外国人家政婦虐待、深刻化
外国人家政婦の4人に1人が何らかの虐待を受け、そのうち性的侮辱や性的虐待を受ける者は年間3000人に達するということが、最近の調査で明らかになった。
この調査は、政府の助成を受けるアジア移民センターが、2000年末に2538人の外国人家政婦を対象として、聞き取り調査によって行ったもので、虐待の他に労働契約の不履行がごく当たり前に行われていること、その弊害を最も受けているのがインドネシア人家政婦であることも明らかにされている。2538人の内訳は、フィリピン人1581人、インドネシア人807人、タイ人150人であり、香港の外国人家政婦総数20万3000人の約1.2%に当たっている。
性的虐待や侮辱は、調査対象者の2%に及んでおり、上述のごとく、年間3000人以上の外国人家政婦が被害を受けている勘定になる。性的虐待・侮辱の内容としては、ポルノ関係の物を強制的に見せられる、性的な動作を強いられる、性交渉を求められる、レイプされる等様々である。
同センターによると、外国人家政婦を差別する明らかなパターンが存在している。そしてこの差別的取り扱いは、香港人が、外国人家政婦に良い仕事を与えてやっており、彼女らに母国における貧困から脱出する道筋をつけてやっていると感じていることによって、 内面的に正当化されてしまっている。また同センターは、滞在期間7年の外国人家政婦にさえ永住権を拒否している現行規則等、香港政府の政策が差別的扱いを助長しているとしている。
同センターは、この調査が香港で反人種差別立法の必要があるかどうかを議論する土台になることを希望しており、この調査を助成した内務局に2月15日に調査報告を提出した。ちなみに、政府は2001年1月31日、外国人家政婦の最低賃金を2001年度も3670ドルに据え置くことを決定し、最低賃金は1999年2月に3860ドルから現行額に減額されて以来、2年連続の凍結となった。
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