マイクロソフトが、国有企業リストラ労働者の再就職訓練に参入

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

中国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年5月

中国では、国有企業のリストラ労働者は、政府や国有企業側が設けた再就職センターで新しい技能を学習することが一般的であり、これまで外資企業がこの分野に参入することがなかった。しかし、マイクロソフトは四川省の成都市政府と協力して、資金や技術を提供し、同市の国有企業リストラ労働者に対してコンピュータ技能の教育訓練を実施するようになり、世間の注目を集めた。初回は半年間の全日制コースで、カリキュラムも決して楽ではないにもかかわらず、200人の募集に対して、3000人の応募が殺到した。これまで行政や国有企業側が行う再就職訓練には、いつも人影が疎らなのに対して、世間はこの過熱ぶりを「マイクロソフト現象」と呼んでいる。マイクロソフト社が発表した教育内容をみると、普通の職業指導や求職訓練以外に、コンピュータ知識やパソコンによる文章作成や事務処理能力などがカリキュラムに組み込まれている。さらに、教育訓練の合格者は、マイクロソフトが認定したATC証書などの資格を取得することもできる。マイクロソフトの資格は、世間での認知度が高いため、取得できれば、求職者にとっては強い武器となる。また、マイクロソフト社は、入札の形を通じて、数多くの職業訓練機関の中から、成都金海洋高級技術教育センター、成都市就業訓練センター及び四川省放送大学を選定して、教育訓練の実施機関とした。この3つの教育機関は、実力や信頼度ともに現地では高い評価を得ている。充実した教育内容、認知度の高い資格の用意、さらに実力のある教育機関との協力は、高い人気を呼んでいる。

2001年5月 中国の記事一覧

関連情報