「解雇手当に関する1996年法案(改正法)」への批判相次ぐ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年11月

「解雇手当に関する1996年法案(改正法)」に対して、手当の規定が厳しすぎるとの批判が使用者側から出ている。

この法令は、2000年6月20日から施行されたもので、使用者は労働者の勤務年数に応じて解雇手当額に関する規定が細かく記されている。例えば、勤務期間が1年未満の労働者に対しては、手取月給の100%の補償、1~6年では200%、6~9年では300%、9~12年では400%、12~15年では500%、24年以上の場合には1000%となっている。

改定前の規定では、少なくとも4年以上勤務した労働者に対して手取月給の500%を補償することとし、最高でも25年以上勤務した労働者に対して月給の600%の補償と規定されていたにすぎない。

辞職または退職した労働者に対しては、このような補償は適用されない。この法令の改定点はもう1つ、職場での失敗によって解雇された労働者にも手当が支払われることである。また、年休制度や長期のサービス休暇などの提供の義務や住居から職場までの交通費の支給も明示されている。

こうした規定に対して、Apindo(インドネシア経営者連盟)のスパルワント議長は、数多くの使用者がこの法案に対して、「労働者に有利すぎる」と反対していると述べた。そして、長引く経済不況のもと、政府は使用者にも配慮して欲しいと主張し、Apindoは政府の法案の改正を求めている。外資系の使用者からも同じ要求が出ている。

一方SPSI(全インドネシア労働組合)のヤコブ議長は、この法案が改定された場合には全国的なストライキを展開する旨を伝え、投資家に対してビジネスのことと同時に労働者のことも考慮して欲しいと訴えた。

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