ジャカルタで、ベチャ運転手10人が抗議

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年6月

3月10日、約1000人のベチャ(タクシーの様な営業をするための三輪自転車)運転手がジャカルタ市役所前で気勢をあげ、首都ジャカルタでのベチャを用いた商売の合法性について明確な回答を求めた。今回の抗議行動は、交通混雑を防ぐために、ベチャを3月中に路上から閉め出すと市当局から伝えられたため起きた。この抗議行動を率いたのは非政府組織(NGO)の都市貧困民協会で、同協会の代弁者(スポークスウーマン)Wadah Hafidz氏によると、ジャカルタ市当局が運転手に示した3つの選択肢は、(1)ベチャを元の場所に戻し、市から1台あたり7500ルピアを受け取る、(2)ベチャを市当局に売り、1台あたり10万ルピアを得る、(3)一般市民から成り、政府後援を受けた民間治安維持軍(Kamra)に加入し支払いを受ける・である。「これらの選択肢では食べていくことができない」とある運転手は語っている。

ベチャ運転手は、Sutiyono知事との会見を求めて数時間待ったが、正式な会見手続きを欠いていたため、会見は実現しなかった。その後、運転手たちが市役所の門で演説を始めると、100人の警察官に退去するよう命じられ、集会を終えた。運転手たちは他日、より大規模な集会を開き、市当局に意見を申し入れる予定である。

ジャカルタ市でのベチャの操業は、ジャカルタ市条例1998年第11号に違反している。ところが、1998年にSutiyono知事が経済危機の間はベチャの操業を容認すると報道機関に語ったため、多くの運転手とベチャがジャカルタに流入していた。後にSutiyono知事は、このベチャ容認発言を撤回した。

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