公務員の政治的中立性に関する政府規則改正

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

1999年政府規則第5号で、政治家に転身する公務員に好条件の手当が用意されつつあることを本誌先月号に紹介したが、インドネシア大学の憲法学者Harun Alrasid教授は、政治家に転身する公務員が停職中にも給料を得ることができるとする同規則の内容は、新政党や国民を欺くものだと批判した。同教授によれば、公務員が官僚機構の地位を失わずに政党とゴルカルに参加する自由を定めた1975年第3号法に、新政府規則が抵触している。さらに、開発統一党(PPP)など野党も、新政府規則が与党ゴルカルに有利なものであると反発した。

このため政府は政府規則の改正を約束、1月29日にハビビ大統領が1999年政府規則第12号に署名、発布した。政府規則第12号は政府規則第5号の7章、8章、9章を改正しており、その主要内容は次の通りである。

政府規則第5号の7章1項では、政党に加わった公務員は公務員としての身分を放棄したとみなされるとしていたが、第12号では官僚機構での地位が自動的に失われるとした。第5号で、上司に公務員職務の放棄を知らせなければならないとされていたが、第12号では上司から職務放棄の許可を得なければならないとしている。また、8章で、第12号は政党に加入し幹部になった公務員は官僚機構での地位を失い、1年間の基本給に相当する補償を受けることができるとした。第5号8章では、政党に加わった公務員の復職を認めた上、昇給や手当を含めた5年間の給料に相当する補償を認めていたため、各方面から批判を浴びていた。

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