基礎情報:中国(2013年)
5. 社会保障

5-1 公的年金制度

制度体系:
都市従業者
  • 社会保険法(2008年)、統一した従業者の基本年金制度の確立に関する決定(1997年)、従業者の基本年金制度の改善に関する決定(2005年)
無業者
  • 都市住民社会年金試行の展開に関する指導意見(2011年)
農村部
  • 新型農村社会年金試行の展開に関する指導意見(2009年)
対象者:
都市従業者
  • 一般被用者は強制加入。自営業者、非全日制従業員及びその他フレックスタイム制の就労者は任意加入。(「社会保険法」第10,12条より)
無業者
  • 16歳以上(学生は含まない)で「都市従業者基本年金」の加入条件を満たしていない都市部の住民。
農村部
  • 16歳以上(学生は含まない)で「都市従業員基本年金」に加入していない農村住民。
保険料率:
都市従業者
  • 企業負担は賃金総額×20%(社会プールへ拠出)
無業者
  • 年間100元から1000元まで100元刻みの10段階に設定、選択が可能支給開始年齢は男性65歳、女性60歳。
農村部
  • 年間100元から500元まで100元刻みの5段階に設定、選択が可能。
支給開始年齢:
都市従業者
  • 男性は60歳、女性は50歳、女性幹部(役員)は55歳。危険業務従事者:男子55歳、女子45歳。
無業者・農村部
  • 男女とも60歳。
最低加入期間:
15年間
国庫負担:
原則なし。但し、拠出金で不足する費用の全額を政府の補助金として負担する。1997年に地方政府が財政からの補助を開始しており、その額は2000年で338億、2006年で971億、2010年で1954億、2011年には1954億元と年々増加している。累計では約1.3億元に上っており、原資金の3分の2が財政移転によるものとなっている。(中国社会科学院「中国養老金発展報告2011」より)
繰り上げ(早期)支給制度:
法定退職年齢に達する前に、病気あるいは業務外の負傷により完全に労働能力を喪失した場合は、病気・後遺障害手当を受給することができる。必要な資金は基本年金保険基金から支給される(第17条)。男性が50歳、女性が45歳からである。(「国家規定に違反して、企業が従業員の早期退職を取り扱う問題への制止・是正に関する通知)また人的資源社会保障部の規定に基づいて、高温、高所、特別な体力労働とその他の健康に有害な特殊職種の労働に就く者は法定退職年齢に達する前に、年金が支給される。男性が55歳、女性が45歳からである。
年金受給中の就労:
年金受給中の就労:就労による年金受給額の減額はない。

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5-2 企業年金制度

設立:
2004年の企業年金試行弁法(労働社会保障部令第20号)と企業年金基金管理試行弁法(労働社会保障部令第23号)に基づく。
加入資格:
企業により異なる。(企業年金試行弁法 2004年第5条)
支給開始年齢:
国家規定により、男性は60歳、女性は50歳、女性幹部(役員)は55歳(企業年金試行弁法 2004年第12条)
給付水準:
一括受取あるいは定期定額受取で企業により異なる。
公的年金制度との調整:
公的年金に上乗せされる。

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5-3 社会保険料の労使負担割合

表:北京市(北京市都市戸籍保有者)の社会保険料負担割合
  年金 医療 労災 失業 出産
労働者 8.0% 2% 0% 0.2% 0%
使用者 20% 10% 0.5~2% 1% 0.8%

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5-4 公的扶助制度

下記のような公的扶助制度が存在する。

自然災害救助:
自然災害の被災者を国家費用で救助
失業破産救助:
失業保険制度の不備を補完して失業者の生活を保護
孤寡病残救助:
身寄りのない老人・寡婦・病人・障害者の生活を保障
都市・農村貧困戸救助:
経済的に困窮状態にある者を救済
都市部最低生活保障制度:
失業者や一時帰休者などの生活困窮に対する所得保障

都市住民最低生活保障条例(1999年)

都市住民の最低生活保障、災害救済、社会救済、浮浪者などの救済を目的としている。

被保護世帯数:
38,077千世帯(2011年度)
被保護者数:
75,903千人(2011年度)
基準額(月額):
生活扶助基準(2011年度)
都市住民最低生活保障制度の給付額は一人当たり305元程度
総支給額:
1,224億2,286万元(2011年度)

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5-5 育児休業制度

該当なし

5-6 育児に対する経済的支援(児童手当等)

該当なし

5-7 保育サービス:就学前児童向け託児施設の設置状況

種別:
託児所・幼稚園
設置運営主体:
教育部、企業、学校
財源:
国、地域及び児童の保護者
料金:
北京市の場合、
  • 公立幼稚園:1人/1カ月 600~1000元程度
  • 私立幼稚園:1人/1カ月 1200~2800元程度
  • 私立託児所:1人/1カ月 1500~3600元程度
利用者:
幼稚園(3歳~6歳児)、託児所(3歳以下)
利用状況:
幼稚園数15万カ所、
幼稚園の在学園児2,976万人、
入園率56.6%(2010年中国教育事業発展統計公報)
3歳未満児のうち、認可された保育サービスの利用割合:
北京3歳未満児の入園率は21%
(婦女緑皮書:2006~2007年中国性別平等と婦女発展報告)

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