基礎情報:ベトナム(2004年)

基礎データ

  • 国名:ベトナム社会主義共和国 (Socialist Republic of Viet Nam)
  • 人口:8,206万人 (2004年)
  • 経済成長率:7.7% (2004年)
  • GDP:450億ドル (2004年)
  • 一人あたりGDP:545ドル (2004年)
  • 労働力人口:4,326万人 (2004年)
  • 失業率:5.6% (2004年)
  • 就業者数:1,000万人 (2003年推計値)

資料出所:外務省、財務省、世界銀行

I.2004年の動向

1. 経済概況

2004年の国内総生産(GDP)成長率は7.7%を記録。過去7年間で最高となり、ベトナム経済は順調に推移している。成長を牽引する海外直接投資額は、1999年の22億ドルから2004年には42億ドルへと倍増、過去7年で最高を記録、GDP比で見た投資率は過去最高の36.5%を記録する見込み(表1)。

工業生産高の増加率は16%という高水準を維持。ベトナム計画投資省(MPI)が策定した「社会経済開発5カ年計画」(2001-2005)および「社会経済開発10カ年戦略」(2001-1010)の主目標である「工業化」が着実に進展していることがうかがえる。

2. 雇用失業概況

2004年ベトナムの人口は約8,206万人。2004年の労働力人口は、約4,326万人。うち、男性は、2.207万人、女性は2.119万人。平均失業率は5.60%(都市部)で前年と比較して0.18ポイント改善している。しかしホーチミン市やビンズォン省といった都市部において労働力需給が逼迫する一方で、近隣省から流入する技能を持たない労働者の多くがそのまま失業者となるケースも多いことから、公的な職業訓練制度の整備が急務となっている。

3. 2004年の労働事情

(1)個人所得税法令の改正

2003年の高額所得者の個人所得税に関する法令改正を受け、新所得税法が2004年7月1日に施行された。個人所得税法令は1994年の成立以降、97年、2001年の2回法令改正がされており、今回が3度目。いずれの改正も課税限度額の引き上げおよび税率の引き下げ等個人に対する税負担の軽減を内容としている。

改正に伴い、ベトナム国民およびベトナムに居住する外国人の課税限度(月間平均所得)が300万ドン(131ベトナムドン≒1円)から500万ドンに引き上げられたほか、最高税率が従来の50%から40%に引き下げられた。年間収入総額が6,000万ドン(500万ドン×12カ月)以下であれば、源泉徴収された税が還付される。ベトナムに居住していない外国人に適用される所得税率は、総課税所得の25%。所得税の対象となる所得水準は月間800万ドン以上。

(2)最低賃金

国内企業と外資企業において別建ての最低賃金が設定されている。外資企業の支払いについては、1999年に労働傷病兵社会問題省決定708条により取扱いを変更してから、米ドルによる給与の支給からベトナムドンに切り替えられた。現行の交換レート(1ドル=約1万3,910ドンに固定)では、45ドル受給しても62万6,000ドンにしかならない。現在の最低賃金は、労働契約に定められた41万7,000~62万6,000ドン。政府決定により消費者物価指数が10%以上上昇した場合には、改定されることになっている。

(3)労働力輸出

海外派遣労働者管理局(DAFEL)によると2004年に企業が海外に派遣した労働者は6万7,440人で、目標を7,000人上回った。外貨獲得額は16億ドル超。

最大の送り出し先国は台湾で3万7,140人、続いてマレーシアの1万4,560人、ラオス6,600人、韓国4,770人、日本2,750人と続く。海外派遣に占める女性労働者の比率は、2001年の21%から2003年は45%に倍増、家事手伝いとして働く女性が多数を占める。

(4)国有企業改革

約5,000社以上存在した国有企業(SOE)を株式会社化などで2,000まで減らすという国有企業改革の目標は達成されていない。1997年に6.0%であった失業率が翌98年に6.86%、99年に7.4%に上昇した要因の1つにSOEにおけるリストラの影響があるといわれているほか、行政のみならず、教育、医療、研究の分野においても多数の労働者が公務員として勤務している現状において、改革への反発が根強い。このため改革の内容はSOEにおける最低賃金および俸給表の改定、早期退職の実施などにとどまり、抜本的な改革は容易でないと見られている。

表1 ベトナムへの直接投資額
(1998年から2005年3月21日時点までの累計。金額、実行額は億ドル)
  認可額 実行額
件数 金額
日本 506 56.52 42.10
シンガポール 334 80.15 31.83
台湾 1292 74.16 28.35
韓国 877 48.61 27.12
オランダ 53 18.66 20.54
フランス 146 21.66 10.46
米国 218 12.95 7.33
中国 324 6.66 1.75

資料出所:日本経済新聞2005年4月25日


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※2002年以前は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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