一人平均5,788円・2.01%で122組合が妥結/UAゼンセン労働条件闘争

(2013年3月15日 調査・解析部)

[労使]

繊維、医薬、化学、食品、流通、印刷、レジャー、福祉など、内需型産業を中心に組織する民間最大産別のUAゼンセン(逢見直人会長、141万3,144人)の2013労働条件闘争は、3月14日10時時点で122組合が妥結。一人平均5,788円(2.01%)、うち賃金引上分497円(0.18%)の獲得に漕ぎ着けた。今後、Bグループは21日、Cグループが31日までの解決を目指して取り組む。

賃金引上げ分(ベア、手当改定など)は497円・0.18%

UAゼンセンは今春闘、4分の3を占める中小組合の賃上げをテコ入れするため、新たにミニマム水準を設定した。これを下回る場合は賃金体系維持分を含めた賃上げ原資として一人平均7,000円、ミニマム水準を上回っても到達水準に未達の場合は一人平均6,000円(賃金体系が確立していれば1,500円)――などの基準を据え、要求に取り組んでいる注1

Aグループが12、13日にヤマ場を終えた3月14日10時時点で、参加組合1,861組合のうち122組合が妥結。妥結内容は、一人平均(単純平均)5,788円(2.01%)で、昨年の同組合比を180円上回る結果となっている。このうち、賃金引上げ分(ベア、手当改定など)は497円(0.18%)となり、基本賃金に重点を置いた取り組みが続いている。

目立つ流通部門の健闘

この間の妥結では、流通部門注3の健闘が目立つ。3月4日時点で、セブン&アイ労連傘下のイトーヨーカドー労組が907円・0.26%の賃金引上分(手当改定)を獲得し、妥結承認第1号を取り付けた。また同日、同労連傘下のヨークベニマル労組が賃金引上分1,193円・0.41%(ベア351円+手当改定418円ほか体系是正等)を、ヨークマート労組が翌5日に賃金引上分1,173円・0.38%(ベア241円+手当改定931円)を獲得し、これに続いた注2

その後、11日には製造産業部門注4で第1号となるアシックス労組(大卒30歳で現行水準33万3,700円)が、一人平均6,904円・1.87%(賃金体系維持原資6,613円+賃金引上分(体系是正)291円(0.079%))を獲得。また、流通部門のニトリ労組(大卒30歳・30万8,300円)が、一人平均7,159円・2.31%(賃金体系維持原資5,051円+賃金引上分2,108円(0.68%,内訳はベア740円+手当改定1,368円))で妥結した。

総合サービス部門の妥結第1号はトリドール労組(大卒30歳・23万2,058円)で、一人平均7,517円、内訳は賃金体系維持原資が5,686円、賃金引上分が1,831円(ベア200円+手当改定1,631円)となった。また、サイゼリヤユニオン(大卒30歳・27万2,563円)が一人平均6,500円・2.38%(賃金体系維持原資5,500円+賃金引上分(ベア)1,000円(0.37%))でこれに続いた。

短時間組合員も24組合で前進

パートタイマーなど短時間組合員の賃上げについては。同時点までに24組合が、単純平均19.7円(2.1%)の時間給引上げで妥結。また、契約社員(月給)も10組合が、単純平均3,057.6円(1.4%)の獲得に漕ぎ着けた。

パートタイマーや契約社員に関するこの間の妥結をみると、セブン&アイ労連傘下のイトーヨーカドー労組が4日、パートタイマー・タイプC(正社員と職務・人材活用とも異なる)について12.78円(1.36%)、タイプA(正社員と職務・人材活用とも同じ)に相当する月給制・契約社員について1,982円(0.89%)を獲得。また、ヨークマート労組も11日に、パートタイマー(賃金制度なし)について20円(2.1%)で妥結している。