■□――【メールマガジン労働情報/No.1966】
「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を公表/厚労省 ほか
―2024年5月31日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を公表/厚労省 ほか
【統計】4月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査 ほか
【労使】年収の壁「理解していない」5割超、被扶養有職者の6割が労働時間を調整/連合調査 ほか
【動向】子どもがいる女性のうち、19.3%が育児退職を経験/民間調査
【企業】再雇用制度を70歳に延長、報酬水準を最大9割維持/ニトリ
【海外】「中級熟練人材」への転換政策と効果/台湾 ほか
【法令】労働関係法令一覧(2024年4月公布分)
【イベント】「はたらく女性スクエア」プレオープニングイベント開催/東京都 ほか
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【JILPT研究成果情報】
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◇労働政策研究報告書No.230『「二極化」以後の非正規雇用・労働―公的統計等の公表データ集計・個票データ分析より―』
正規雇用(正社員)と非正規雇用(非正社員)の労働条件や働き方の「二極化」が問題とされて久しいですが、
非正規労働者保護や、労働力不足等の環境変化を踏まえ、主に2010年代に正規・非正規の「二極化」が
どのように変化したかを公的統計等データの二次分析を行いました。非正規労働者の就業形態選択理由では、
「正規の職員・従業員の仕事がないから」の割合が低下し、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が上昇
している、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2024/0230.html
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【JILPTからのお知らせ】
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★企画展示「令和の労働関係図書優秀賞 受賞図書展」/労働図書館
JILPT労働図書館では、閲覧室内の展示コーナーで、テーマを決めて企画展示をしています。
このたびは、5月31日(金)から12月6日(金)まで「令和の労働関係図書優秀賞 受賞図書展」と題し、
所蔵する関連資料をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html
★2024年度「東京労働大学講座・総合講座」(オンライン開催)受講生募集中!
<労働法> 部門 7月9日火曜~8月30日金曜(14講義日+試験)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html
◇『日本労働研究雑誌』2024年6月号を刊行しました!
特集「若年労働の現在地」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/06/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2024年6月号を公開しました!
「賃上げが当たり前の社会に向けて――2024春闘の最新状況」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/06/index.html
◇労働政策フォーラムの開催報告を掲載しています
第131回「時間帯に着目したワーク・ライフ・バランス─家族生活と健康─」(2024年3月2~6日開催)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240306/houkoku/index.html
☆『労働関係法規集2024年版』 好評発売中!
主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの法規集です。
【B6判変型1,191頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月15日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html
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【行政】
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●「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を公表/厚労省
厚生労働省は28日、「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を公表した。
「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」報告書(2023年10月)の提言をもとに、
労働政策審議会安全衛生分科会での議論を経て策定。個人事業者等が健康に就業にするため、個人事業者等が
自身で行うべき事項(年1回の健診受診、就業時間の調整など)、個人事業者等に注文する注文者等が
行うべき事項や配慮すべき事項等(長時間就業を防ぐ配慮、メンタル不調の予防、安衛教育・健診に関する
情報や機会の提供など)を周知し、自主的取り組みの実施を促すもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40367.html
▽個人事業者等の健康管理に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001257617.pdf
▽ガイドラインリーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001257619.pdf
●フリーランスの取引適正化に向けた取り組みを公開/公正取引委員会
公正取引委員会では、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間
取引適正化等法)の解説動画を公開している。同法は、2023年5月12日に公布され、24年11月1日に施行
される。特定受託事業者(フリーランス)が安心して働ける環境の整備のため、フリーランス・事業者間の
取引適正化と、就業環境整備を目的としている。取引の適正化に係る規定は主に公正取引委員会及び
中小企業庁が、就業環境整備に係る規定は厚生労働省が、担当する。
https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html
▽厚生労働省:フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
●改正育児・介護休業法が成立/通常国会
改正育児・介護休業法が24日の参議院本会議で可決・成立した。残業免除の対象を小学校就学前の子を養育
する労働者まで拡大(現行は3歳まで)、看護休暇の対象に子の行事参加等を加え、子の年齢を小学校3年生
まで拡大(現行は小学校就学前まで)、家族の介護が必要な労働者への両立支援制度の周知・意向確認の義務化
は、いずれも2025年4月1日施行。
3歳から小学校入学までの子を養育する労働者に関して、テレワーク、短時間勤務、時差出勤等の措置を設ける
ことや、3歳までの子を養育する労働者に関する措置へのテレワークの追加は、公布日から1年6カ月以内の施行。
▽改正育児・介護休業法の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/001222652.pdf
▽参議院 議案情報
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/213/meisai/m213080213054.htm
▽参考:東京労働局【特設ページ】令和6年度改正 育児・介護休業法
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/ikukai0611_00008.html
●2024年度国家公務員採用総合職試験、女性の合格者数割合は33.4%/人事院
人事院は28日、2024年度「国家公務員採用総合職試験(春)」の合格者を発表した。
院卒者試験及び大卒程度試験合計の申込者数は1万3,599人(前年度1万4,372人)。合格者数は
1,953人(同2,027人)で3.7%減少。申込倍率は7.0倍(同7.1倍)。うち、女性の合格者数は652人で、
全合格者数に占める割合は33.4%(同683人・33.7%)。
https://www.jinji.go.jp/content/000002481.pdf
●農業女子プロジェクト「NEXTラボ2024」をスタート/農水省
農林水産省は29日、農業で活躍する女性の姿を周知することなどを目的とする「農業女子プロジェクト」で、
女性農業者の学びと交流の場創出のため、2023年度に引き続き「NEXTラボ2024」の活動を開始すると発表した。
「NEXTラボ」はプロジェクトメンバ―の課題解決、女性農業者の活躍支援のため、23年6月に創設。24年は、
農業に関する実践的な知識や技術等を学べるセミナーを6月から25年2月までオンラインで12回、開催予定。
https://www.maff.go.jp/j/press/keiei/kourei/240529.html
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【統計】
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●4月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査
総務省は31日、2024年4月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.6%で、
前月と同率。完全失業者数は193万人(前年同月比3万人増)で、2カ月ぶりの増加。就業者数は6,750万人
(同9万人増)で21カ月連続の増加。雇用者数は6,087万人(30万人増)で、26カ月連続の増加。
正規従業員数は3,666万人(同2万人増)で6カ月連続の増加。非正規従業員数は2,084万人(同20万人増)で
8カ月連続の増加。
▽4月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽4月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
●4月の有効求人倍率1.26倍、前月比0.02ポイント低下/一般職業紹介状況
厚生労働省は31日、2024年4月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は 1.26倍で、
前月と比べ0.02ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.17倍で、前月比0.21ポイント低下。新規求人(原数値)
は、前年同月比で2.3%減。産業別では、減少したのは製造業(7.8%減)、教育・学習支援業(7.4%減)、
宿泊業・飲食サービス業(6.3%減)、増加したのは生活関連サービス業・娯楽業(3.4%増)、医療・福祉
(1.4%増)、情報通信業(0.4%増)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40423.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001257803.pdf
●5月の消費者マインドの基調判断、「改善に足踏みがみられる」に下方修正/消費動向調査
内閣府は29日、2024年5月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季調値)」は
36.2(前月比2.1ポイント低下)。同指数を構成する意識指標は前月と同様、4つとも低下し、「耐久消費財の
買い時判断」29.0(▲2.8ポイント)、「暮らし向き」」33.9(▲2.2ポイント)、「雇用環境」42.0(▲2.2ポイント)、
「収入の増え方」39.9(▲1.2ポイント)。消費者マインドの基調判断は、前月の「改善している」から
「改善に足踏みがみられる」に下方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
▽統計表等
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
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【労使】
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●年収の壁「理解していない」5割超、被扶養有職者の6割が労働時間を調整/連合調査
連合は14日、「年金に関する調査2024」を発表した。103万円、106万円、130万円などの「年収の壁」について、
「理解している」は43.6%。「あまり理解していない」は40.5%、「まったく理解していない」15.9%で、
計56.4%が「理解していない」。「労働時間を一定に抑える調整をしている(労働時間を短くする、
年末にシフト調整するなど)」は有職者全体では13.3%だが、扶養に入っている有職者に限ると63.4%。
調整で意識する額は「年収103万円」53.7%、次いで「月額8万8,000円(年額約106万円)」20.0%、
「年収130万円」15.8%。年収の壁について理解が追いつかず、とりあえず給与所得・基礎控除の合計額
(年収103万円)に抑えるという心理、と推察している。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20240514.pdf
●4月の中小企業景況、非製造業を中心に景況感上昇/全国中央会
全国中小企業団体中央会は27日、「4月の中小企業月次景況調査(令和6年4月末現在)」を公表した。
ほとんどの指標が前月比で上昇し、主要3指標では、景況0.4ポイント、売上高5.1ポイント、収益状況4.0
ポイントのいずれも上昇。主要3指標以外では、販売価格のDIが4.1ポイント上昇。インバウンドの増加に
加え、春休み・GWの人出増加から、非製造業を中心に景況感は上昇。 一方で、人手不足・人材確保の問題が、
多くの業種で収益力の足かせとなっているとみている。
https://www.chuokai.or.jp/images/2024/05/kei2404.pdf
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【動向】
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●子どもがいる女性のうち、19.3%が育児退職を経験/民間調査
マイナビは17日、マイナビ転職が実施した「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」結果を発表した。
20代から40代の男女会社員・公務員800名(育休経験者、未経験者各400名)対象のWEB調査。
子どもがいる女性のうち、育児退職を経験したのは19.3%、育児退職を検討したことがあるのは24.3%。
育休経験のある男性でも、39.5%が退職を経験又は検討したことがある。男性の育休取得日数は「1カ月未満」
が半数で、うち「2週間未満」が33.0%。女性は「半年以上」が85.0%。育休取得のハードルになったもの
(複数回答)は「収入減少」が最多の19.4%。一方、育休取得者の26.3%が「育休中も給付金があると知った」
ことが、取得のきっかけになっているとわかった。給付金や助成制度の周知は、取得に一定の効果があることがうかがえる、としている。
https://www.mynavi.jp/news/2024/05/post_43528.html
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【企業】
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●再雇用制度を70歳に延長、報酬水準を最大9割維持/ニトリ
ニトリホールディングスは28日、シニア人材のさらなる活躍推進に向け、再雇用制度の拡充および
処遇の見直しを行うと発表した。従来65歳に定めていた継続雇用期間を、同社の定める基準を満たす場合は
70歳まで働けるよう再雇用制度を拡充。また、一定以上の職位においては、基本給・一部手当を定年前と
同一の金額とし、報酬水準を定年前と比較して最大9割維持するよう改定する。2024年7月から実施。
https://www.nitorihd.co.jp/news/items/a843d01a6e2a5842bea85c14e409518c.pdf
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<台湾>
▽「中級熟練人材」への転換政策と効果
台湾では、人口構造の変化に応じて産業での人材維持や家庭看護の需要が増加していることなどを踏まえ、
2022年4月に外国人労働者の受け入れ政策に大きな変更を加えた。これにより「外国人労働者定着プログラム
(移工留才久用方案)」を開始し、雇用主が優秀で経験豊富な外国人労働者を中級熟練人材に転換する支援を行っている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/05/taiwan_01.html
▽労働者の受け入れに向けてインドとのMOUに署名
台湾とインドは労働協力関係を強化するため長年にわたる協議を行い、2024年2月16日にオンラインでインド
からの外国人労働者を受け入るための覚書(MOU)に署名した。両者は今後、MOUに基づく手続きに従って
文書の交換を完了し、速やかに作業レベルの会議を開催する予定。受け入れ業種や外国人労働者の人数、
雇用資格、募集方法などについて詳細な議論が行われる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/05/taiwan_02.html
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【法令】
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●労働関係法令一覧(2024年4月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202404.html
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【イベント】
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●「はたらく女性スクエア」プレオープニングイベント開催/東京都
東京都は6月13日(木)、働く女性の新たな相談窓口「はたらく女性スクエア」開設のプレオープニングイベント
を渋谷区で開催する。基調講演「パートタイムから経営者へ」やパネルディスカッション、労働セミナーなど。
参加無料。要事前申込、先着順で定員200名。申込締切6月12日(水)12時。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/josei/katsuyaku/square/index.html
●男女雇用平等セミナー「企業に求められる 性の多様性への理解とハラスメント対応」/東京都
東京都労働相談情報センター亀戸事務所はセミナー「企業に求められる 性の多様性への理解とハラスメント
対応~誰もが安心して働ける職場をつくる~」を墨田区で下記の日程で開催する(墨田区と共催)。
6月14日(金)「性の多様性への理解と企業が注意すべき点」
6月21日(金)「ハラスメント(カスハラ含む)から社員を守るための対応策」
対象は、使用者、人事労務担当者及び関心のある方。受講無料、定員40名、要事前申込。各日ごとの申込可。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-kame-000225