ビジネス・レーバー・トレンド2023年11月号
毎月25日更新
スマート工場での仕事と働き方
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)といった最新のデジタル技術の活用が、仕事のスタイルや働く環境を変貌させつつある。製造業では、生産や検査などの工程にデジタル技術を導入し、スマート工場化に取り組む企業もみられる。デジタル技術の活用は、実際の職場での仕事の仕方や人材配置、働き方にどのような影響を及ぼすのだろうか。本号では、スマート工場化に取り組んだ企業の事例のほか、印刷業界でのデジタル技術への対応と人材育成の取り組み、企業・業界団体モニターへの特別調査の結果などを紹介し、スマート工場化をはじめとするデジタル技術活用の働く現場への影響と、産業・企業等の対応の最新動向を確認する。
目次
企業取材
調査部では、スマート工場化に取り組むものづくり企業を取材した。IoTを活用して工場の「見える化」に取り組み、生産の効率化だけでなく従業員の意欲向上にも活かす日進工業(愛知県・碧南市)、デジタル技術も活用して24時間365日ノンストップの生産態勢を実現し、改善業務時間の拡大などを図った土屋合成(群馬県・富岡市)の2社の取り組みを紹介する。
- IoTを活用した生産の「見える化」で、従業員の「向上心」も引き出す ――日進工業のスマート工場の取り組み
- 24時間・365日ノンストップの生産現場を実現し、新たな取り組みや業務改善に人員を投入 ――土屋合成のデジタル技術活用による作業自動化
業界事例
ペーパーレス化・デジタル化に迫られる印刷産業が、人材育成などでどのような取り組みを行い、対応を図っているのか。業界団体である日本印刷産業連合会と全日本印刷工業組合連合会を取材した。
ビジネス・レーバー・モニター特別調査
JILPTが年4回実施している企業・業界団体モニター調査では、8月に実施した特別調査で、最新のデジタル技術の活用状況と、それによる働き方、採用、育成等の状況の変化を尋ねた。
政府の報告書
- 非正規労働者が働きながらでも学びやすい職業訓練を提供し学び直しの支援を ――厚生労働省の「公的職業訓練の在り方に関する研究会」報告書
- 生成AIを活用したDX推進のためには主体的に学び続ける姿勢とその環境整備が重要だと指摘 ――経済産業省「デジタル時代の人材政策に関する検討会」報告書
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
地域シンクタンク・モニター定例調査
各地域のシンクタンクのモニターに、地域経済や地域雇用の動向などについて、定期的に調査を実施しています。
<2023年第2四半期(4~6月期)実績および2023年第3四半期(7~9月期)の見通し>
[調査結果の全体概況]
[各地域の調査結果]
- 【北海道】地域経済は好調が続くも、猛暑と処理水放出による水産業への影響を懸念
- 【岩手】個人消費は回復が続くも生産活動は一進一退
- 【宮城】8割の企業が賃上げやインフレ手当などを実施
- 【山形】労使が地域経済活性化に取り組む「共同宣言」を発出
- 【福島】ボーナスを引き上げる理由は「モチベーション向上」が6割超
- 【茨城】コロナの5類移行で景況感が改善して「好転」
- 【北陸】業種・規模を問わず人手不足の状況が続く
- 【東海】景況判断が4年ぶりにプラス水準に
- 【近畿】今期は消費が好調も来期は生産が弱い動きに
- 【中国】慢性的な人手不足で有効求人倍率は高水準
- 【四国】設備投資が堅調で個人消費も回復が続き、景況感は大きく改善
- 【九州】有効求人倍率、新規求人数とも「やや悪化」
フォーカス
フランス:コロナ禍における部分失業(就業)の特例措置の政策評価をみる
新型コロナウイルス感染の雇用対策は、フランスにおいて前例のない大規模の措置が取られた。中でも雇用維持政策である「部分失業制度」は失業抑制に貢献した一方で、支援先や支援額が適切だったのか、その検証がすすめられている。本稿はコロナ禍の企業への財政支援の効果に関する分析とともに、部分失業制度の政策評価に焦点を当てた既存研究に着目する。紹介されたレポートでは、部分失業制度による支援は概ね肯定的に評価されている。(海外情報担当)
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2023年10月25日掲載