調査シリーズ No.125
裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果 労働者調査結果

平成 26年 5月30日

概要

研究の目的

弾力的労働時間制度を中心とした労働時間制度について事業場およびそこで働く労働者の実態や要望を把握するために本調査を実施。本調査は厚生労働省からの要請に基づく。

研究の方法

  • 方法:調査対象事業場で働く労働者に対するアンケート調査
  • 実査期間:平成25年11月中旬から12月中旬
  • 厚生労働省抽出分:厚生労働省が無作為抽出した5,414事業場(うち、専門業務型裁量労働制導入事業場3,159、企画業務型裁量労働制導入事業場2,255)で働く、適用される労働時間制度の区分(①専門業務型裁量労働制適用者、②企画業務型裁量労働制適用者、③フレックスタイム制適用者、④管理監督者、⑤その他一般労働者各2人)に応じた一事業場当たり計10人の常用正社員、合計54,140人の労働者
  • 事業所データベース抽出分:民間調査会社の事業所データベースに登録されている全国の常用労働者30人以上規模の事業場のうち産業大分類別・従業員規模別に経済センサスに基づいて割り付け無作為抽出した7,586の事業所で働く上記①から⑤の労働時間制度区分別に一事業所当たり各2人計10人合計75,860人の労働者
  • 調査対象労働者数:130,000人
  • 有効回収率:厚労省抽出事業場労働者:18.5%(10,023票)
  • 事業所DB事業場労働者:17.1%(12,983票)

主な事実発見

  1. 裁量労働制が適用されている労働者の満足度は、概ね7割前後と高いと考えられるが、2割から3割の労働者は不満を持っている(図表1)。
  2. 不満な点としては、「労働時間(在社時間)が長い」、「業務量が過大」、「給与が低い」が比較的高い回答割合となっている(図表2)。
  3. 今後の裁量労働制について尋ねたところ、概ね7割前後が「今のままでよい」と回答しているが、2割から3割の労働者は「変えたほうがよい」と回答している(図表3)。
  4. 裁量労働制の対象業務の範囲については、「現行制度でよい」が多いが(専門業務型66.8%、企画業務型69.3%)、「狭い」という回答もそれぞれ4.9%、7.5%みられる(図表4)。 「狭い」と回答した労働者のうち、専門業務型については「使用者が具体的な指示をすることが困難かで判断」(50.4%)、「対象業務の範囲は労使に委ねるべき」(32.3%)と回答し(図表5)、企画業務型については「対象業務の限定は不要である」(49.4%)、「対象業務の範囲は労使に委ねるべき」(44.8%)と回答した(図表6)。

図表1 裁量労働制の適用を受けていることの満足度―適用されている裁量労働制別―(厚労省抽出分)

図表1 画像

図表2 裁量労働制の適用に不満な点(複数回答)―適用されている裁量労働制別―(厚労省抽出分)

図表2画像

図表3 現在の裁量労働制についての変更希望―適用されている裁量労働制別―(厚労省抽出分)

図表3画像

図表4 裁量労働制の範囲の広さ―適用されている裁量労働制別―(厚労省抽出分)

図表4画像

図表5 対象業務の範囲「狭い」に関する意見(複数回答)―専門業務型(N=133)―(厚労省抽出分)

図表5画像

図表6 対象業務の範囲「狭い」に関する意見(複数回答)―企画業務型(N=87)―(厚労省抽出分)

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政策的インプリケーション

現行裁量労働制が導入され適用されていることへの満足度や不満点、制度要件の具体的要望のほか、裁量労働制が適用されていることに関する詳細なデータを含む本調査結果は、今後の政策や運用実務の在り方などを検討するうえで豊富な情報を提供すると考えられる。

政策への貢献

労働政策審議会労働条件分科会の議論において活用。

本文

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研究の区分

プロジェクト研究 「企業の雇用システム・人事戦略と雇用ルールの整備等を通じた雇用の質の向上、ディーセント・ワークの実現についての調査研究」

サブテーマ「仕事と生活に関する調査研究」

研究期間

平成25年~26年度

執筆担当者

池添 弘邦
労働政策研究・研修機構 主任研究員
藤本 隆史
労働政策研究・研修機構 アシスタントフェロー
高見 具広
労働政策研究・研修機構 研究員

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