賃金制度:フランス(2)
フランスの最低賃金
- カテゴリー:労働条件・就業環境
- フォーカス:2005年2月
1)SMIC:法定最低賃金(根拠規定:労働法典L141-1条~L141-17条)
- 適用範囲:
原則として、健全な労働者
(外交)商業代理人、労働契約を結んでいない企業の幹部指導者等は除外 - 設定方式及び決定方式:
全国一律最低賃金
審議会方式 - 対象となる賃金:
基本給、現物支給、チップ、予測可能な個人功労賞与、労働時間短縮に伴う補償(時間外手当、夜間及び日曜勤務手当、祝祭日勤務手当、勤続手当、皆勤手当、特別手当、僻地手当、諸経費払い戻し、利潤分配、予想外共同功労賞等は、除外される)
- 改定の三原則:
- 物価スライド制
前回のSIMC額決定日を基準として、消費者物価指数の上昇率が2%に達した時点で自動的に改定(L.141-3) - SMICの購買力の年間増加率は、一般賃金の平均時間給の実質上昇率の半分を下回ってはならない(L.141-5)
- 毎年の改定は、SMICの増加率と全般的経済状況及び所得の変動との間にある長期的な不均衡の是正に有効に機能しなければならない(L.141-6)
- 物価スライド制
- 改定時期:
- 定時決定(毎年7月1日)
- 物価スライド制の適用、その他改定が必要と認められた場合における随時決定(L.141-7)
- 最低賃金額:
法定最低賃金額:7.61ユーロ/時間(2004年7月)
*日本円で約1,027円 - 罰則:
違反した場合、労働者1人につき1,500ユーロの罰金
2)労働協約拡張方式に基づく最低賃金
- 設定方式及び決定方式:
業種別
労働協約拡張方式 - 最低賃金額と改定:
- 業種レベルでの年1回の賃金交渉を義務付け
- SMICを下回っている場合、次期協約改定時にSMICを上回るように修正
- 労働協約上の最低賃金を物価又はSMICの上昇に連動させることはできない
- 罰則:
拡張適用された労働協約等の賃金に関する規定に違反した使用者は、労働者1人につき違警罪の罰金が科せられる
2005年2月 フォーカス: 賃金制度
- イギリス: 成果主義賃金をめぐる動向
- アメリカ: アメリカの賃金制度
- ドイツ: ドイツの賃金制度 ―能率・成果給の仕組み
- フランス(1): フランスの賃金制度
- フランス(2): フランスの最低賃金