外国人技術人材、台北市のホテルで受け入れへ

カテゴリー:外国人労働者

台湾の記事一覧

  • 国別労働トピック:2026年9月

宿泊業における人手不足に対応するため、台湾労働部は2026年1月から、観光ホテルや一般ホテルに外国人技術人材の受け入れを認めている。2026年8月現在までに50社を超える宿泊事業者が台湾での求人手続きを申請しており、求人数は500人を超える。台北市のホテル「リージェント台北」は8月13日、インドネシア人の技術人材37人の雇用許可を取得し、宿泊業界初の導入事例となった(注1)

台湾人労働者の賃上げ人数に応じて受け入れ

少子高齢化に伴う労働力不足に対応するため、台湾労働部は2026年1月、「外国人技術人材受け入れ促進策(注2)」を実施した。宿泊サービス業と商港埠頭での貨物集積・荷役業務について、労働部のプラットフォームを通じて人材を選考する仕組みとした。観光ホテルおよび一般ホテルについては、客室整備や清掃、予約受付、宿泊客への対応などの業務に外国人技術人材を配置できるようにしている。

同促進策は、台湾人労働者の賃金引き上げと外国人材の受け入れを組み合わせた制度とした。宿泊事業者が、当該事業者における最低賃金で雇用しているフルタイムの台湾人労働者について、月額賃金を少なくとも2,000新台湾ドル引き上げた場合、賃上げした台湾人労働者1人につき、外国人技術人材1人の雇用枠を得ることができる。ただし、外国技術人材の受け入れ人数は、海外から受け入れる場合、原則として申請前1年間の平均雇用者数の10%が上限となる。

これにより労働部は、外国人材の受け入れによって産業の人手不足を補うと同時に、台湾人労働者の労働条件の改善につなげる考えである。

実習経験のあるインドネシア人を採用

今回、台北市のホテル「リージェント台北」に採用された37人はいずれも留学生として台湾に入境し、同ホテルで実習経験のある者である。実習時の成績が良好だった人材を指名して雇用した。過去に台湾で実習していたことを踏まえ、早ければ9月初めに台湾へ再入境する予定である。健康診断、査証、航空券、労働契約の認証などにかかる費用は、ホテル側が負担する。

労働部は現在、インドネシアとタイからの受け入れ経路を整備しており、ベトナムとも基本的な合意に達している。フィリピンとは協力覚書(MOU)の締結について合意しており、具体的な手続きの制定を進めているという。

雇用手続きは仲介業者への委託も可能

海外から外国人技術人材を受け入れる場合、雇用主はまず、適切な労働条件を提示したうえで、公的就業サービス機関に台湾域内での求人を申し込む必要がある。台湾人労働者を必要数確保できなかった場合は、同機関の審査を経て求人証明書の交付を受け、その後、労働部に雇用主資格の認定を申請する(注3)

雇用資格と雇用可能人数が認定された後、2026年1月から新たに受け入れを認めた宿泊サービス業等においては、労働部のプラットフォームまたは指定された方法を通じて人材を募集、選考する。ただし、台湾域内での求人、求人証明書の取得、資格認定および雇用許可の申請、外国人技術人材の入境後の生活支援などの行政手続きは、仲介業者に委託することもできる。雇用主は外国人労働者と労働契約を締結した後、改めて労働部に雇用許可を申請する。

従来の外国人労働者受け入れ制度のもとで、仲介業者が雇用主から受け取る登録・紹介手数料は、原則として外国人の月給1カ月分を上限としている。ただし、2026年1月から受け入れを認めた宿泊サービス業などについては、労働部のプラットフォームを通じて人材を選考するため、仲介業者は「紹介料」を請求できない。ただし、上述の行政サービスの委託については、業務内容に応じて合理的な手数料を設定できるが、登録料は外国人労働者の月給1カ月分を超えてはならない。

月給3万2,000新台湾ドル以上が条件

宿泊業で働く外国人技術人材には、中国語または英語で基礎級(A2)以上の語学力が求められる。英語能力によって要件を満たした場合は、雇用開始から3年以内に中国語能力A2以上を取得すればよい。

また、ホテルの客室サービスに関する技能検定や宿泊業関連の研修、海外技能試験への合格、宿泊施設での実習、関連学科の卒業、国際的なホテルチェーンでの勤務経験など、いずれかの技術要件を満たす必要がある。

一方、雇用主については、観光ホテル営業許可証またはホテル業登録証を保有し、外国人技術人材に月額3万2,000新台湾ドル以上の月例賃金を支払うことが条件となる。

外国人技術人材の雇用期間は1回につき最長3年間で、期間満了後も要件を満たせば再申請できる。台湾での通算就労期間に上限は設けられていない。

参考文献

  • 台湾労働部

参考レート

2026年9月 台湾の記事一覧

関連情報

GET Adobe Acrobat Reader新しいウィンドウ PDF形式のファイルをご覧になるためにはAdobe Acrobat Readerが必要です。バナーのリンク先から最新版をダウンロードしてご利用ください(無償)。