AI需要の拡大で製造業などの外国人労働者の残業時間が増加

カテゴリー:外国人労働者労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2026年9月

台湾労働部が2026年1月に公表した「2025年外国人労働者の管理・運用実態に関する調査」(注1)結果によると、AI(人工知能)関連需要の拡大を背景に、製造業などの外国人労働者の残業時間は月28.3時間となり、前年より1.4時間増加した。平均月例賃金は、最低賃金の引き上げに伴い、前年を1,100新台湾ドル上回る3万新台湾ドルとなった。この調査は、製造業、建設業、農林漁業(注2)・畜産業、及び家庭介護分野の家庭雇用主における外国人労働者の雇用管理・運用状況、関連政策に対する意見、外国人労働者の就労実態などを把握し、今後の受け入れ政策の参考とするため、2025年7~8月に実施されたものである。有効回答数は8,545件で、内訳は製造業、建設業、農林漁業・畜産業が4,523件、家庭介護分野の家庭雇用主が4,022件だった。

製造業、建設業、農林漁業・畜産業

AI関連需要で残業時間が1.4時間増加 

まず、製造業、建設業、農林漁業・畜産業における外国人労働者の状況を見ると、2025年6月の月間所定内労働時間は168.2時間で、前年同月から16時間増加した。残業時間も1.4時間増の28.3時間となり、総労働時間は17.4時間増の196.5時間に達した。労働部は、AI関連需要の拡大によって一部の製造業で残業時間が増えたことが主な要因とみている。また、同月の週休日と祝祭日の合計が前年より2日少なかったことも、労働時間の増加に影響した。

最低賃金引き上げを背景に月額賃金が3.6%増

2025年6月の平均月例賃金(注3)は月額3万新台湾ドルとなり、前年同月比で1,100新台湾ドル(3.6%)増加した。最低賃金の引き上げが主な要因となった。

平均残業手当も前年同月比500新台湾ドル(11.8%)増の5,100新台湾ドルに伸びた。月例賃金と残業手当の合計は平均約3万5,000新台湾ドルとなり、前年同月比で1,600新台湾ドル(4.7%)増加した。

一方、2024年7月から2025年6月まで継続して就業した外国人労働者に支給された非定期給与は、年間平均1万5,000新台湾ドルだった。非定期給与には年末・中間賞与、祝祭日手当、業績賞与などが含まれ、前年調査を600新台湾ドル(3.6%)下回った。

企業の29.6%が「追加雇用枠」を十分に利用せず

通常より高い就業安定費を納付することにより、外国人労働者の雇用枠を拡大する「追加雇用枠」を申請した企業は37.6%だった。しかし、このうち、「追加雇用枠」の人数をすべて受け入れていない企業が29.6%を占めた。その理由としては、「すでに受け入れた外国人労働者で必要な人員を確保できている」が17.4%、「コスト面の考慮」が9.8%などとなった。

一方、追加雇用枠を申請しなかった企業の理由としては、「すでに受け入れた外国人労働者で必要な人員を確保できている」が71.5%で最も多く、「コスト面の考慮」が18.7%、「受注が見込みどおり増えなかった」が17.1%と続いた。

34.3%が運用に問題

外国人労働者の運用において何らかの問題を経験した企業は34.3%だった。具体的には、「言葉が通じない」が23.2%で最も多く、「指示に十分対応しないなど意思疎通が難しい」が12.6%、「勤務態度や規律に問題がある」が11.4%と続いた。

家庭介護

月収は約2万4,000新台湾ドルに増加

次いで、外国人家庭介護労働者の状況を見ると、2025年6月の平均月例賃金は月2万1,300新台湾ドル、平均残業手当は2,800新台湾ドルで、合計約2万4,200新台湾ドルとなった。前年同月と比べて600新台湾ドル増加しており、労働部は、契約満了後の継続雇用に伴う賃上げが主な要因とみている。

2024年7月から2025年6月までの間に支給した年末賞与などの非定期給与は、年間平均7,100新台湾ドルだった。1日当たりの平均労働時間は10.1時間で、いずれも前年とほぼ同じだった()。

表:外国人家庭介護労働者の月例賃金・労働時間 (単位:千新台湾ドル)
時点 月例賃金 残業手当 月例賃金・
残業手当合計
年間の非定期給与 1日当たり労働時間
(時間)
2024年6月 21.0 2.8 23.8 7.0 10.3
2025年6月 21.3 2.8 24.2 7.1 10.1
増減 +0.3 0.0 +0.4 +0.1 -0.2
増減率(%) +1.7 +2.5 +1.8 +0.9 -1.9

注:月例金額の各数値は四捨五入しているため、表示値から計算した増減額・増減率と一致しない場合がある。例えば、残業手当は両年とも「2.8千新台湾ドル」と表示されているが、端数を含む実数では2.5%増加している。

出所:労働部「2025年外国人労働者の管理・運用実態に関する調査」より

月4日以上休める人は9.2%

月に休暇を取得している人は65.8%だった。休暇日数別にみると、「月1日」が31.7%で最も多く、「月2~3日」が14.2%、「月4日以上」が9.2%だった。

外国人家庭介護労働者については、労働契約上、7日ごとに1日または2日の休暇を与えることとされている。休暇日に働かせる場合、雇用主は代休または残業手当を与えなければならない。調査では、休暇を与えていない雇用主はいずれも残業手当を支給していた。

また、外国人家庭介護労働者の休暇中に代替の介護手段を確保している家庭雇用主は85.2%だった。主な代替手段は「家族が介護する」が66.9%で最も多く、「政府のレスパイトケア(家族の介護の負担を軽減するため支援する制度)または在宅サービスを利用する」が15.6%で続いた。

また、台湾人の代替介護人材を利用するための政府補助について、「申請する意向がある」と回答した家庭雇用主は46.7%、「申請する意向はない」が34.2%、「分からない」が19.1%だった。

家庭雇用主の34.4%が「問題を経験」

外国人家庭介護労働者の雇用・運用において何らかの問題を経験した家庭雇用主は34.4%だった。うち、「言葉が通じない」が24.5%で最も多く、「スマートフォンの操作や私的な会話が多い」が10.1%、「指示に十分対応しないなど意思疎通が難しい」が9.2%、「勤務態度や規律に問題がある」が7.4%と続いた。

雇用前は82.9%が家族による介護

外国人家庭介護労働者を雇用する前は、要介護者を「家族が介護していた」とする世帯が82.9%を占めた。台湾人の介護労働者や介護サービス従事者を利用していた世帯は9.2%だった。

外国人家庭介護労働者を雇用していない場合の代替手段については、「家族が介護する」が55.4%で最も多い。高齢者福祉施設、護理之家(看護・長期療養施設)、入所型の長期介護施設などを利用するとの回答は18.1%、台湾人の介護労働者を利用するとの回答は12.3%だった。

外国人家庭介護労働者の雇用前に台湾人介護労働者を利用した経験がある家庭雇用主は33.3%だった。台湾人介護労働者を継続で雇用しなかった理由としては、「経済的負担」が27.2%で最も多く、「利用可能な時間が合わない」が11.1%で続いた。

参考文献

  • 台湾労働部

参考レート

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