日本が労働安全衛生に関するILO条約第155号を批准
 ―G7で2カ国目

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  • 国別労働トピック:2026年4月

日本は4月1日、ILO(国際労働機関)の中核的労働基準の一つである「職業上の安全および健康に関する条約」の批准書をILO事務局長に寄託した。4月3日に官報で公布され、ILO加盟国の中で、日本は同条約の92国目の批准国となった。主要7カ国(G7)で批准しているのは、イタリアのみだった。

92番目の批准国に

日本は2025年5月23日の参院本会議でILO「1981年の職業上の安全および健康に関する条約(第155号)」の批准を全会一致で承認した。続いて、2026年4月1日に在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の尾池厚之常駐代表・特命全権大使が、同条約の批准書をILOのジルベール・ウングボ事務局長に寄託。その後、4月3日の官報で公布され、同条約は、ILOへの批准登録後12か月を経て、日本について効力を生ずる予定である。

第155号条約は、作業に関連した事故及び健康に対する危害を防止することを目的として、職業上の安全及び健康並びに作業環境について、この条約を締結した国が一貫した政策を定めることを規定するとともに、国の段階、企業の段階それぞれにおいてとるべき措置等を定めている。

尾池代表は「今回の批准が、日本における労働災害防止対策の推進により一層貢献し、労働安全衛生に関する政策のさらなる発展に寄与するものと確信する」と述べた。

批准書を受け取ったウングボ事務局長は「日本による第155号条約の批准を心から歓迎する。(この批准は)社会的パートナーと協議しながら、継続的かつ持続可能な形で労働安全衛生に取り組む日本の強い決意を示している」とコメントした。

本条約はこれまでに91カ国が批准しているが、主要7カ国(G7)で批准しているのは、イタリアのみだった。

ILO基本条約の未批准はあと一つ

ILOには、すべての加盟国に対して尊重を求める原則として、10の基本条約がある。1998年に、結社の自由や強制労働の撤廃、児童労働の廃止、差別撤廃に関する八つの条約を定め、2022年の第110回国際労働総会(ILO総会)で、労働安全衛生の重要性を確認し、安全で健康的な労働環境を確保するための二つの条約(第155号条約および第187号条約)が追加された。

今回の155号条約の批准により、日本が批准していない基本条約は、「雇用及び職業についての差別待遇に関する条約」(111号)のみとなった。

参考資料

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