移民の割合は12.6%
―デンマーク統計局調査、「非西欧」からの増加が顕著
デンマーク統計局は2025年12月15日、報告書「デンマークの移民2025」を発表した。それによると、2025年1月時点で人口に占める移民の割合は12.6%であった。
以下で主な内容を紹介する。
人口における移民の割合は12.6%
2025年1月1日時点で、デンマークの人口(599万2,734人)に占める移民(国外で出生し、両親のいずれもデンマーク国籍を有さず、かつデンマーク生まれでもない者:移民一世)の割合は12.6%(75万2,907人)であった。このうち59.0%が非西欧諸国からの移民である。また、この移民一世に、移民二世(デンマークで出生した者のうち、両親のいずれも、デンマーク国籍かつデンマーク生まれではない者)を合わせた場合の割合は16.3%にのぼる(表1)。
なお、デンマーク統計局の定義では、「西欧諸国」とは、EU加盟国のほか、イギリス、ノルウェー、スイス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、サンマリノおよびバチカン市国を指す。これに対し、「非西欧諸国」とは、これら以外の国・地域をいい、例えばトルコ、ウクライナ、ロシアのほか、アジア、アフリカ、中南米、オセアニア(オーストラリアおよびニュージーランドを除く)の諸国が含まれる。
| 移民一世 | 移民二世 | 移民一世・二世計 | デンマーク 出身者 |
計 | |||
| 西欧諸国 | 非西欧諸国 | 西欧諸国 | 非西欧諸国 | ||||
| 2025 | 308,428 | 444,479 | 42,047 | 182,226 | 977,180 | 5,015,554 | 5,992,734 |
| 2030 | 335,517 | 438,001 | 54,659 | 204,135 | 1,032,312 | 5,016,107 | 6,048,419 |
| 2040 | 377,793 | 466,219 | 81,768 | 245,922 | 1,171,702 | 4,996,053 | 6,167,755 |
| 2050 | 409,432 | 479,818 | 109,372 | 286,439 | 1,285,061 | 4,930,609 | 6,215,670 |
| 2060 | 433,848 | 479,818 | 137,080 | 322,739 | 1,373,485 | 4,853,783 | 6,227,268 |
| 2070 | 451,348 | 470,045 | 164,144 | 353,075 | 1,438,612 | 4,832,573 | 6,271,185 |
出所:デンマーク統計局(2025)
注:「移民一世」とは、国外で出生し、両親のいずれもデンマーク国籍を有さず、かつデンマーク生まれでもない者を指す。「移民二世」とは、デンマークで出生した者のうち、両親のいずれもデンマーク国籍かつデンマークのまれではない者を指す。「デンマーク出身者」とは、出生地にかかわらず、父母の一方または双方がデンマーク国民であり、かつデンマーク生まれである者を指す。
過去30年間、デンマークにおける移民の人口は増加傾向にある。この傾向は特に非西欧諸国出身者で顕著である。2025年時点での非西欧諸国からの移民は44万4,479人であり、1995年の3.5倍に達した。他方、西欧からの移民も同じく増加傾向にあり、2025年時点では30万8,428人であり、1995年より3.1倍増加した。
移民の出身国上位10か国は表2のとおりである。
| 0-9歳 | 10-19歳 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60歳以上 | 計(人数) | |
| 計 | 3% | 6% | 17% | 24% | 20% | 14% | 16% | 752,907 |
| 「西欧諸国」 | 2% | 5% | 22% | 25% | 18% | 12% | 16% | 308,428 |
| ポーランド | 2% | 6% | 17% | 24% | 26% | 13% | 12% | 48,550 |
| ルーマニア | 3% | 6% | 22% | 35% | 21% | 9% | 4% | 39,277 |
| ドイツ | 3% | 5% | 17% | 17% | 14% | 14% | 29% | 38,512 |
| イギリス | 1% | 2% | 11% | 21% | 15% | 19% | 31% | 16,528 |
| 「非西欧諸国」 | 3% | 8% | 13% | 23% | 21% | 16% | 16% | 44,4479 |
| ウクライナ | 9% | 16% | 15% | 26% | 18% | 7% | 9% | 45,300 |
| トルコ | 1% | 3% | 5% | 13% | 25% | 28% | 24% | 35,479 |
| シリア | 2% | 24% | 20% | 22% | 18% | 9% | 4% | 35,364 |
| イラン | 3% | 6% | 6% | 22% | 25% | 15% | 23% | 22,937 |
| イラク | 1% | 2% | 10% | 25% | 17% | 21% | 23% | 22,147 |
| インド | 8% | 8% | 14% | 37% | 23% | 5% | 5% | 18,958 |
出所:デンマーク統計局(2025)
人口に占める移民一世及び二世の割合を地域別にみると、首都圏で最も高く24%にのぼり、他の地方では全国平均を下回っている。
就労を目的として入国する移民の割合は増加傾向にある。居住許可のうち、就労を理由とするものの割合は2004年には20%に過ぎなかったのに対して、2024年には34%にまで増加した。
デンマーク統計局の人口予測によると、移民一世及び二世が人口に占める割合は、現在の16.3%から2070年には23%に増加する見込みである(前掲表1)。40~64歳の労働年齢層に占めるデンマーク出身者の割合は、現在の84%から2070年には73%にまで減少する。
非西欧からの移民の就業率は男性71%、女性69%
2024年のデンマーク出身者の就業率は男性が81%、女性が78%であったのに対して、西欧諸国からの移民では男性が74%、女性が69%であった(注1)。非西欧諸国からの移民では男性が71%、女性が61%である。移民の就業率はデンマーク出身者よりも低いものの、2015年以降上昇しており、その差は縮小傾向にある。
学生の多い年齢層を除いた、30~64歳について出身国ごとの就業率をみると、国によって差があることが明らかになった。オランダ(82%)、リトアニア(81%)、フィリピン(80%)、タイ(80%)は、デンマーク出身者の就業率(83%)に近接している。一方で、レバノン(45%)やソマリア(50%)、イラク(53%)などはデンマーク出身者の就業率を大幅に下回る。
労働者における移民労働者の割合を性別、産業別にみると、男性の場合はホテル・レストラン業で最も高く、39%にのぼる。続いて運輸業(27%)、農業・林業・漁業(26%)の順である。女性の場合は、旅行代理店・清掃・その他運営サービス業の割合が37%で最も高く、続いて農業・林業・漁業(34%)、ホテル・レストラン業(28%)の順となった。
平均所得は移民、デンマーク出身者いずれも増加
デンマーク出身者の所得は45~54歳の間にピークを迎える。この年齢層の2023年の税控除前の平均所得額は59万6,600クローネであった。同年齢層の西欧諸国からの移民の所得は49万400クローネで、非西欧諸国からの移民はこれより低く、35万6,300クローネである。非西欧諸国からの移民の場合、最も高い収入を得ているのは35~44歳の年齢層であり、38万6,300クローネである。
なお、2013年から2023年にかけて、平均所得はすべてのグループで増加している(デンマーク出身者35%増、西欧諸国37%増、非西欧諸国46%増)。
注
- 2024年11月末時点、16~64歳の就業率。(本文へ)
参考資料
- DANMARKS STATISTIK(15 December 2025)Indvandrere i Danmark 2025

参考レート
- 1デンマーククローネ(DKK)=25.09円(2026年4月16日現在 みずほ銀行ウェブサイト
)
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