圧縮労働型週4日勤務の実験を実施

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  • 国別労働トピック:2026年4月

デンマーク南西部に位置する地方自治体、エスビャウの公共職業安定所(ジョブセンター)では、2021年から3年間にわたり職員が週4日勤務か週5日勤務を選択する実験が行われた。その実施状況について、職員がそれぞれの勤務形態を選択した理由やその満足度などに関するアンケート調査を毎年行った(注1)。それによると、職員の83%は週4日勤務を選択した。選択した理由は、金曜に休みが増えるためとする者が最も多かった。

以下で主な内容を紹介する。

実験の概要

公共職業安定所の職員は、2021年1月から2023年12月までの間、週4日勤務か週5日勤務かを選択することができた。週4日勤務の一週間の所定労働時間は35時間である。加えて、任意の曜日に2時間の能力開発の時間を取得しなければならない。週5日勤務の所定労働時間は週37時間である。

83%が週4日勤務を選択

2023年11月時点では、ジョブセンター職員の83%が週4日勤務を選択していた(図表1)。週4日勤務を選択する割合は、女性が83.8%、男性が16.2%となっている。週5日勤務を選択する割合は、女性が74.0%、男性が26.0%で女性よりも男性の方が高い。

年齢別にみると、週4日勤務を選択する職員のうち最も多い年齢層は50~59歳で30%を占める。次に多い年齢層は40~49歳で26%を占める。週5日勤務では、40~49歳が40%で最も多く、続いて30~39歳の割合が28%と高かった。

12歳未満の子どもを持つ人の割合は、週4日勤務で28%、週5日勤務では52%であり、幼い子どもを持つ世帯の一部は、週5日勤務の方が私生活と仕事のバランスがとりやすいと考えている可能性がある。

図表1:回答者の属性
  職員数 調査回答者
人数 人数
週4日勤務 334 83.3 197 79.8
週5日勤務 67 16.7 50 20.2
401 100 247 100
女性 322 80.3 202 81.8
男性 79 19.7 45 18.2
401 100 247 100

出所:VIVE(2024)

メリットは金曜に休みが増えること、デメリットは長時間労働

週4日勤務の職員がこの勤務形態を選択した理由は、「金曜日が休日だから」が73%で最も多く、続いて「ワークライフバランスの向上」が53%である(図表2)。「仕事の質を確保しやすいから」、「能力開発の機会が欲しい」といった理由で選択した人はわずかだった。

図表2:週4日勤務を選択した最も重要な理由
画像:図表2

出所:VIVE(2024)

週5日勤務を選択した理由では、「ワークライフバランスの向上」が78%と最も多く、続いて「1日の労働時間が短いから」が66%であった(図表3)。「仕事の質を確保しやすいから」「より柔軟な勤務時間だから」を挙げた人はそれぞれ22%であった。

図表3:週5日勤務を選択した理由
画像:図表3

出所:VIVE(2024)

各勤務形態のデメリットについて、週4日勤務の場合は、「労働時間が長い」が61%で最も多く、続いて「勤務時間の柔軟性が低い」が14%であった。週5日勤務では、「職場の大多数の職員と同じ勤務形態ではないこと」が30%と最も高く、続いて「勤務時間の柔軟性の低さ」、「能力開発の機会がないこと」がともに12%であった。

週4日勤務職員の「非常に満足」は75%

週4日勤務実験への全体的な満足度について、週4日勤務職員の74%は「非常に満足している」と回答した。これに対して、週5日勤務では、「非常に満足している」割合は8.0%に過ぎず、「どちらでもない」が36%を占めており、10%は「非常に不満足」と回答している(図表4)。

図表4:週4日勤務実験への全体的な満足度
画像:図表4

出所:VIVE(2024)

働きやすさに関する項目は週4日で高得点

仕事への職員の満足度は非常に高く、「満足」「非常に満足」が96%を占める。仕事に「高い意欲」「非常に高い意欲」を持つと回答した人の割合は、週4日勤務で92%、週5日勤務で90%であった。「非常に十分な休息」「十分な休息」をとれたと回答した人の割合は、週4日では46%である一方、週5日では36%であった。

ほとんどの職員が市民や企業に望ましいサービスを高水準または非常に高水準で提供できていると考えていた。ただしこの割合には差がみられ、週4勤務では82%であるのに対して週5勤務では69%にとどまっている。

業務タスクが達成できない頻度について、週4日勤務は、「常に・頻繁に全てのタスクを達成できない」と感じている人の割合は17%で、「ときどき」が44%、「めったに・全くない」が40%であった。週5日勤務の場合は、それぞれ31%、37%、33%であり、週4日勤務の職員よりも高頻度であった。

予期せぬ業務を引き受ける頻度については、週4日勤務では、「常に・頻繁に」が30%、「ときどき」が46%であった。週5日勤務ではそれぞれ39%と51%である。これは、金曜日に生じる業務は週5勤務の職員が対応していることを示す。

同僚や話し相手に会えないことについては、週4日勤務の77%、週5日勤務の74%が会えないと感じることは「めったに・全くない」と回答した。

在宅勤務利用率は2021年よりも低下

実験の一環として、労働者には週に1日在宅勤務する機会が与えられていた。2021年初期のコロナ感染拡大時に「在宅勤務が常態ではなくなった場合に週1日の在宅勤務を利用するか」を尋ねたところ、68%が「高い」「非常に高い」頻度で利用すると回答した。しかし2023年に在宅勤務の頻度を尋ねたところ、「非常に」「かなり」利用している人の割合は週4日勤務で56%、週5日勤務で30%であった。

エスビャウのジョブセンターは、実験終了後も週4日勤務を継続している。労働協約では、職員は週4日勤務か週5日勤務かを選択することができる。ただし、実験とは異なり、週4日勤務の職員に対して設定されていた2時間の能力開発は廃止された。

参考文献

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