雇用保険未加入者等に新型コロナウイルス緊急雇用安定支援金を支給

カテゴリー:雇用・失業問題多様な働き方労働条件・就業環境

韓国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2020年6月

雇用労働部は2020年5月18日、新型コロナウイルスによって2020年3月から4月の間に所得・売上が減少した一定所得以下の特殊形態労働従事者、フリーランス、零細自営業者および2020年3月から5月の間に無給休職した労働者の生計安定のため、一人合計150万ウォンの「新型コロナウイルス緊急雇用安定支援金」を支給すると発表した。

支援金の対象者

緊急雇用安定支援金の対象者は、特殊形態労働従事者(契約の形式に関係なく労働者と類似の労務を提供しているにもかかわらず勤労基準法等が適用されない者)およびフリーランス(特定の事柄に関してその都度契約を結び、集団や組織の拘束を受けず自身の判断によって独自に働く者)の場合、2019年12月から2020年1月の間に月5日以上の労務提供を行ったか又は月25万ウォン以上の所得が発生した、雇用保険に未加入の者である(表1)。職種の特性上、当該期間に所得がない場合は、所得減少期間(2020年3月~4月)の前年同月(2019年3月~4月)又は直前期間(2019年10月~11月)に労務提供の事実がある場合も支援対象として認められる。必要書類は、①事業主が発行する所得証明(手当手数料支払明細書等)または②その他の所得証明(居住者事業所得源泉徴収領収書、取引当事者と取引した通帳取引内訳書等のいずれか1つ)である。

表1:特殊形態労働従事者、フリーランスの具体例
教育 学習誌教師、塾および教育研修機関講師、スポーツ講師およびトレーナー、放課後教師等
運送 持込み運転手(生コントラック等)、レッカー車運転手、その他の自動車運転手(塾のバス運転手等)、空港・港湾・市場・鉄道・倉庫関連荷役従事者等
余暇 演劇俳優、作家(放送作家、写真作家、構成作家等)、アニメーター、余暇および観光サービス従事者等
販売 訪問販売員、営業社員、貸付・クレジットカード募集者、保険設計士、テレマーケター等
サービス ゴルフ場キャディー、アフターサービス技士、浄水器訪問点検員、水道・ガス・電気検針員、看護人、代行運転・クィックサービス運転手、家事・育児ヘルパー等
その他 生活情報新聞配布員、衣類販売中間管理者、お手伝い運転手、公衆浴場管理者、キュレーター、通訳・翻訳家、トリマー、ウェディングプランナー、音楽家等

出所:雇用労働部報道参考資料(2020年5月18日付)

零細自営業者の場合、2019年12月から2020年1月の間に自営業を営み売上のあった1人自営業者および常用労働者5人未満の中小企業(鉱業・製造業・建設業および運輸業の場合は常用労働者10人未満)のうち、雇用保険に未加入の者である。必要書類は、①売上税計算書合計表、②VAN(付加価値通信網)会社またはカード会社を通じたクレジットカード売上高確認書、③現金領収書売上内訳、④売上高入金内訳の確認可能な事業者通帳取引内訳の写し、⑤POS(販売時点情報管理)で確認された売上高内訳、⑥税務代理人が確認した売上関連書類等のいずれか1つである。

無給休職者の場合、従業員50人未満の企業で雇用保険に加入している者のうち、2020年3月から5月の間に、個別労働者の同意により勤労基準法が定める休業手当(通常賃金の100分の70)を支給されず無給休職をした者である。ただし、航空機取扱業、人材派遣会社所属労働者のうち航空機取扱業又はホテル業従事者の場合、企業規模に関係なく支援を受けることができる。必要書類は、無給休職者が個人情報提供に同意している場合は不要である。ただし、人材派遣会社所属労働者のうち航空事業法上の航空機取扱業またはホテル業従事者の場合、労働契約書の写しが必要である。

所得・売上減少要件

緊急雇用安定支援金を受給するための資格要件は、①世帯所得が基準中位所得の150%以下、②申請人の個人年間所得が7,000万ウォン以下、③申請人の個人年間売上が2億ウォン以下、のいずれかに該当し、所得・売上の減少が25%から50%以下の場合又は無給休職日数が3か月間で合計30日から45日(又は月5~10日)以上である場合である(表2)。

所得・売上の比較対象期間は、①2019年の月平均所得・売上、②直前期間である2019年12月から2020年1月のうちの特定月、③前年同月である2019年3月から4月のうちの特定月、の中で申請人本人に有利な基準を適用する。

表2:緊急雇用安定支援金の所得区間別基準
画像:表2

出所:雇用労働部報道参考資料(2020年5月18日付)

支援内容および申請方法

緊急雇用安定支援金の支援金額は合計150万ウォン(月50万ウォン×3カ月)である。当初予算の予備費9,400億ウォンで2020年6月1日から事業を開始し、受付後2週間以内に第1回分として100万ウォンを支給する。さらに、第3次補正予算に計上された5,700億ウォンで、予算通過後、第2回分として残りの50万ウォンを支給する。

この支援金は、政府が実施する新型コロナウイルスによる所得・売上減少を支援する性格のその他の支援金(地域雇用対応等特別支援事業、地方自治体別中小企業支援事業、就職成功パッケージ、若年者求職活動支援金、緊急福祉支援制度等)と同時に受給することはできない。ただし、これらの支援金による支援額が緊急雇用安定支援金の支援額より少ない場合は、差額分について支援を受けることができる(表3)。

申請方法は、2020年6月1日~7月20日の間にオンラインで申請するのが原則である。パソコンやスマートフォンの活用が難しい場合は、7月1日から身分証明書を持参して最寄りの雇用センターで申請することができる。

表3:緊急雇用安定支援金との重複支援の可否
例示 重複支援の可否
緊急災害支援金、自治体災害支援金受給 支援可能
自治体独自の中小企業生計安定事業等参加 支援可能
地域雇用対応等特別支援事業参加
例:50万ウォン受給時(2020年6月支給者も含む)、緊急雇用安定支援金で100万ウォン支援
差額支援
就職成功パッケージ低所得層求職促進手当(20年3月~5月)支援
例:2020年3月~4月の間60万ウォン受給時、緊急雇用安定支援金で90万ウォン支援
差額支援
家族介護費用緊急支援(20年3月~5月)
例:3月~4月の間に計8日使用、40万ウォン受給時、緊急雇用安定支援金で110万ウォン支援
差額支援
若年者求職活動支援金、緊急福祉支援制度参加者 支援不可

出所:雇用労働部報道参考資料(2020年5月18日付)

参考レート

2020年6月 韓国の記事一覧

関連情報