非労働力人口の増加現況

カテゴリー:雇用・失業問題勤労者生活・意識統計

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  • 国別労働トピック:2015年7月

2013年11月以降、減少してきた非労働力人口は、2015年1月、増加に転じ、その後も増加傾向を見せている。韓国雇用情報院(KEIS)の報告より、最近の非労働力人口の増加の動きを紹介する。

2015年3月時点の非労働力人口は1629万7千人(前年同月比10万6千人の増)であった。最近の特色としては、55歳以上の高齢層で非労働力人口への移行増加幅が拡大したこと。一方、中高年層(30~54歳)では非労働力人口への移行減少幅が縮小している。

また、高齢化の進展により、高齢者の数自体が増加傾向にあるが、その層でも、高学歴者の非労働力人口は大きく増加している。一方、近年、30~40代で就業者数は減少しているが、その年齢層においても非労働力人口が増え始めている。全般的に、生産年齢人口の学歴水準が高まっている中で、高学歴者を中心に、非労働力人口の増加の勢いが持続する様相が現れている(図表1)。

図表1:年齢及び学歴水準別非労働力人口 現況 (2015年3月)
(単位:千人)
  中卒以下 高卒 大卒 大学院以上 全体
青年層
(15~19歳)
2,199
(-18)
2,375
(-133)
219
(30)
443
(9)
5,236
(-111)
中高年層
(30~54歳)
414
(-39)
1,965
(-67)
668
(-40)
1,325
(86)
4,372
(-59)
高齢層
(55歳以上)
4,352
(64)
1,603
(136)
103
(13)
632
(63)
6,690
(276)
全体 6,965
(8)
5,943
(-63)
990
(4)
2,400
(157)
16,297
(106)

注:カッコ内は前年同月比増減率。

出所:韓国雇用情報院(KEIS)のデータを基に作成。

高学歴者(大卒以上)が非経済活動状態に留まる理由としては、男性は「休息」「老齢」が多く、女性は「家事」「育児」「休息」で多い(図表2)。特に30~40代の高学歴の女性の場合、非経済活動状態に留まる理由を「家事」「育児」とする者が増加している。また、労働市場の中心的年齢帯である30~40代の男性の場合、2015年に入り、「休息」の理由で非経済活動状態に留まる現象が増加していることが確認される。

KEISは、2010年以降、ベビーブーム世代(1955~1963年生まれ)の引退が進行しながら、高齢層の高学歴の非労働力人口は増加しており、このような趨勢は当分の間持続するとの見方を示している。

図表2:大卒以上の高学歴者の非経済活動状態 増減現況 (2015年3月)
(単位:千人、前年同月対比)
  男性 女性
20代
以下
30代 40代 50代 60歳
以上
全体 20代
以下
30代 40代 50代 60歳
以上
全体
育児   1 2     2 3 20 3 1 3 31
家事 1 1 4 3 4 13 12 -10 12 21 12 47
通学 12 -4 -1     6 -11 1 -3 1   -13
老齢         15 15         1 1
心身障害   2 3 -3 4 5 -1 2 3 -2 1 3
就業準備 -20 3 -3 -1 1 -20 -11 4 3 1   -4
休息 15 8 10 -1 -1 31 13 4 3 2 2 24
その他 -1 3 4 -1 5 11 -2 4   1   3
全体 6 14 19 -3 29 64 3 25 21 25 20 93

出所:韓国雇用情報院(KEIS)のデータを基に作成。

参考資料

『雇用労働ブリーフ(2015年4月)』韓国雇用情報院(KEIS)

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