7月発表雇用動向：失業者数、依然として高水準

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カテゴリー：雇用・失業問題、統計

フランスの記事一覧

• 国別労働トピック：2009年9月

雇用省統計局（DARES）が7月末に発表した雇用統計によると、6月のフランス本土の求職者数は409万7800人で、5月より0.7％（2万9700人）増加した。このうち、「無職で、積極的な求職活動を義務づけられる（カテゴリーA）」者は、5月より0.7％（1万8600人）減少し252万4500人で、今年に入って初めての減少を示した。しかし、前年同月比では25.7％増加しており、依然として高水準を維持している。

雇用局（Pôle emploi）に求職者登録した者のうち、「月に78時間未満就労していて、積極的な求職活動を義務づけられる（カテゴリーB）」者は49万6600人で、5月より2.6％減少（前年同月比では8.0％増）、「月に78時間以上就労していて、積極的な求職活動を義務づけられる（カテゴリーC）」者は61万3700人で、7.1％増加しており（前年同月比3.3％増）、職の有無にかかわらず積極的な求職活動を義務づけられる求職者（カテゴリーA、B、C）は363万4800人で、5月より0.3％（9200人）増加、前年同月比では18.7％の増加となった。また、6月に雇用局に登録されたフランス本土の求人については、前月より7.5％増加（前年同月比15.6％減）している。雇用期間別にみると、1カ月未満の臨時雇用の求人が最も増えている（11.2％増）。

なお、DARESが毎月発表する雇用統計は、雇用局の求職者登録データによるもので、雇用局に登録した求職者の概念は、ILO（国際労働機関）の失業者の概念とは異なる。求職者は「積極的な求職活動を行う義務があり、かつすぐに働ける状況でなければならない」という法的規則を基準として、カテゴリーA、B、Cに分類される。また、求職者の限定的就業は認められている。ちなみに、ILOの失業者の定義は「仕事への従事が週1時間未満であって、2週間以内に就業が可能で、過去4週間以内に求職活動を行った一定年齢以上の者」であり、フランス国立統計経済研究所（INSEE）は4カ月ごとに雇用統計を再集計し、このILO定義による失業率を算出、発表している（注1）。

DEMANDEURS D’EMPLOI INSCRITS ET OFFRES COLLECTÉES PAR PÔLE EMPLOI EN JUIN 2009, DARES , Juillet 2009

(※)2008年に関しては、「新規雇用契約（CNE）」の求人も含む。なお、CNEは、従業員20人以下の企業を対象に、2年間の試用期間とその間に特別な理由なく解雇できることを認めた雇用契約で、「雇用に柔軟性を持たせることができ、新たな雇用を創出できる」として2005年に導入されたが、「2年もの長期の試用期間はILO158号条約に反する」とするILOの決定を受け、2008年6月廃止が決定した。

DEMANDEURS D’EMPLOI INSCRITS ET OFFRES COLLECTÉES PAR PÔLE EMPLOI EN JUIN 2009, DARES , Juillet 2009より作成

注

1. 2009年第1四半期の失業率（ILO基準）は8.9％（改定値）、同第2四半期は9.5％（9月3日INSEE発表）