失業率6.1%へ悪化、2003年9月以来の高水準

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  • 国別労働トピック:2008年10月

アメリカの失業率が急激に悪化している。連邦労働省労働統計局によって発表された2008年8月の失業率は6.1%で2003年9月以来の高水準となった。2008年2月が4.8%であったから、6カ月の間で1.3ポイント悪化したことになる。図1に昨年1月からの失業率の推移を示した。

図1:連邦レベルの失業率の推移(2007年1月以降)

図1:連邦レベルの失業率の推移(2007年1月以降)

出所:労働統計局資料より作成

若年者、建設業で特に悪化

年齢別に失業率の水準を見ると、若年者層の高失業率が目立つ。特に16歳から17歳の層で、22%強の高水準を示しており、2008年7月の数値では24.9%であった(表1参照)。

表1:年齢別失業率の推移
  2007年8月 2008年7月 8月
16歳から19歳 16.2 20.3 18.9
  16歳から17歳 18.4 24.9 22.1
20歳から24歳 8.4 10.2 10.5
25歳から54歳 3.8 4.6 5.1
55歳以上 3.2 3.6 4.1

出所:労働統計局資料より作成

産業別では建設業の悪化が目立つ(表2参照)。サブプライムローンが問題化した影響もあり住宅着工数が対前年度比で減少し続けている(注1)ことが要因の一つとして考えられる。また、性別、人種別で最近3ヵ月間の推移を見てみると、性別での差がそれほど見られない一方で、人種別にみた場合、白人系の0.5ポイント悪化、ヒスパニック系の0.3ポイント悪化に対して、アフリカ系アメリカ人の1.4ポイント悪化が際立ってみえる(表3参照)。

表2:産業別失業率(昨年同月比)
  2007年8月 2008年8月 (%)
非農業部門 4.5 6.1 △1.6
鉱業 4.6 1.9 2.7
建設 5.3 8.2 △2.9
製造 3.6 5.7 △2.1
小売 5.1 6.6 △1.5
運輸 3.4 5.2 △1.8
情報 4.1 4.2 △0.1
金融 3.7 4.2 △0.5
教育、健康 3.4 4.3 △0.9
娯楽 7.1 8.7 △1.6
政府、公共部門 3.2 3.3 △0.1

出所:労働統計局資料より作成

表3:性別、人種別失業率
  6月 7月 8月 3カ月比
男性 5.1 5.3 5.6 △0.5
女性 4.7 4.6 5.3 △0.6
白人 4.9 5.1 5.4 △0.5
アフリカ系アメリカ人 9.2 9.7 10.6 △1.4
ヒスパニック系 7.7 7.4 8.0 △0.3

出所:労働統計局資料より作成

地域間の格差が目立つ

州別に見てみるとミシガン州の8.9%からサウスダコタ州の3.3%まで地域差が見られる。7%以上の高水準にある州は表4に、3%台の低水準にある州を表5に示した。

前月比と前年同月比を見てみるとロードアイランド州の悪化が目立つ(表6および表7参照)。前年同月比で5.1%から8.5%へと3.4ポイントの急激な悪化である。

表4:2008年8月の州別失業率(高失業率の州)
合衆国 6.1
ミシガン州 8.9
ロードアイランド州 8.5
カリフォルニア州 7.7
ミシシッピ州 7.7
サウル・カロライナ州 7.6
オハイオ州 7.4
イリノイ州 7.3
ネバダ州 7.1

出所:労働統計局資料より作成

表5:2008年8月の州別失業率(低失業率の州)
サウスダコタ州 3.3
ネブラスカ州 3.5
ノースダコタ州 3.6
ユタ州 3.7
ワイオミング州 3.9

出所:労働統計局資料より作成

表6:州別失業率、前年同月との比較
  2007年8月 2008年8月 前年同月比
ロードアイランド州 5.1 8.5 3.4
フロリダ州 4.2 6.5 2.3
ネバダ州 4.9 7.1 2.2
ノース・カロライナ州 4.7 6.9 2.2
カリフォルニア州 5.5 7.7 2.2
イリノイ州 5.2 7.3 2.1

出所:労働統計局資料より作成

表7:州別失業率、前月との比較
  2007年8月 2008年8月 前年同月比
ロードアイランド州 7.8 8.5 0.7
ルイジアナ州 4.0 4.7 0.7
コネチカット州 5.8 6.5 0.7
サウス・カロライナ州 7.0 7.6 0.6
オレゴン州 5.9 6.5 0.6
ニューヨーク州 5.2 5.8 0.6

出所:労働統計局資料より作成

ロードアイランド州、急速に悪化

東部に位置するロードアイランド州の8月の失業率は8.5%で1993年1月以来の高水準となった。ロードアイランド州労働省の発表(注2)によれば、前年同月比で労働力人口の1.2%に相当する1万2800の職が喪失し、とりわけ製造業が全体の24%を占める。図2は2007年8月以降の同州における失業率の推移である。今年の4月から5月にかけて1.1ポイント悪化している。同じ時期の連邦レベルの失業率も5.0%から5.5%へと急激に悪化しているものの、同州の悪化はそれを上回る。図3は雇用労働者数と求職者数の推移を今年1月から8月までに期間に関してグラフ化したものである。雇用労働者数の減少は比較的一定数で推移しているのに対して、求職者数が4月から5月に際立って増加していることがわかる。

図2:ロードアイランド州の失業率の推移

図2

出所:ロードアイランド州労働省資料より作成

図3:ロードアイランド州雇用労働者数と求職者数の推移

図3

出所:ロードアイランド州労働省資料より作成

レイオフの人数も03年以来の水準

労働省の発表(8月15日、9月23日)によると、8月の大規模レイオフ(50人以上)が1772件となり、ハリケーンカトリーナの影響があった2005年9月以来の高水準となった(注3)。4半期ごとのレイオフ人数では、今年の第二四半期が29万9886人で、2003年の同時期以来の大きさとなった。この数値は、第一四半期の22万9870人と比べても、7万人強増加しているし、前年同時期(27万8719人)と比較しても2万強増加している。

転職斡旋会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社の発表(9月3日)によると、5月~8月の雇用喪失は37万7325(注4)であり、2002年の同時期の37万8777に次ぐ大きさとなった。同社のジョン・チャレンジャーCEOによると、8月期の主な人員削減は、自動車産業での1万7233人、政府・非営利部門での1万2328人、小売業の9874人である。州別にみるとカリフォルニア州の2万6105人、オハイオ州の7658人。

参考

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