女性の雇用促進のため育児休暇助成金を設置の方向

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2006年7月

行政院労工委員会では、女性の労働市場への参加拡大を目的として、育児休暇を取得中の女性を対象に、月間最大1万3500新台湾ドル(424米ドル相当)の助成金支給を行う計画を検討中であることを5月に発表した。同委員会の発表によれば、上記助成金事業は出産後も労働力として留まる母親を増やすことを目的に策定し、女性が勤務を続けた場合、最大6カ月間、助成金の受給が可能となる。

同委員会では、女性は給与やポストが相対的に低いことや、家族の世話に責任があるのは父親よりも母親であるという伝統的な観念があることから、結婚や出産を契機に退職する場合が多いとしている。2004年の台湾における女性の就業率は47.71%であり、日本の73.4%、韓国49.8%、ドイツ65.4%、米国73.3%と比較して低いことを同委員会では指摘している。

男女雇用均等法は、現在、従業員30人超の企業で1年以上勤務した女性に対して、子供が3歳になるまでの間、最大2年間の育児休暇の申請を認めている。ただし、現行法では、育児休暇中は無給である。同委員会は、現行制度を改正し、女性を対象に助成金を支給することで国内の女性就業率の向上を図ることを計画している。

政府の推計では、助成金事業による支出は毎年28億4000万新台湾ドル(8920万米ドル相当)となり、財源として雇用保険基金より資金を補充することを考えている。地元メディアによれば、雇用保険基金の年間収益は、約17億新台湾ドル(5340万米ドル)に上り、同事業の支援に十分なものであるということである。

同委員会は、今年12月までに雇用保険法の改正を提議し、同助成金事業の実施を図ることを表明している。委員会の計画によれば、助成金は平均給与(現在2万7000新台湾ドル(約848米ドル))の30%から50%で計算し、月間助成金の最大額は、1万3500新台湾ドルとなる。

ただし、行政院としては、助成金の支給方法について、有資格女性全員に固定額を支給するか、労働保険制度による自己申告給与に基づく額で支給するかは現在検討中である。

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