新労働大臣の方針

カテゴリー:労働法・働くルール

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  • 国別労働トピック:2006年7月

イタリアの労働市場は、スペインのザパテロ式にのっとって再始動する。新労働社会保障大臣(注1)のチェーザレ・ダミアーノ(左翼民主党)は、労働市場改革法(ビアジ法)に関する問題にいかにして取り組んでいくかを説明するのに際して、スペインのザパテロ首相と同様の方針を採ると表明した。同法については、CGIL(イタリア労働総同盟)およびプローディ政権内でもより左派寄りの人々が廃止を望んでいる。

ダミアーノ大臣は、ビアジ法の廃止は予定していないが、同法が規定する不安定さを縮小するための修正が必要であるとの考えを示した。同大臣は、「我々の考えは、安定性を促進し、不安定性に変質する場合には、弾力性を抑制することである」と述べている。つまりは、スペインモデルである。

実際には、有期雇用契約を期間の定めのない契約に転換する企業に対して、何らかの優遇措置を設けることが必要になるとみられる。たとえば、租税負担や社会保険料の軽減措置が考えられる。逆に、派遣労働などの臨時労働を利用する場合には、負担を重くすることもありうるだろう。

これに対して、前任者のロベルト・マローニ旧労働社会政策大臣が署名した年金改革のうち、年功年金の引き上げ規定(2008年1月1日から、57歳から60歳への引き上げが予定されていた)については、外見上廃止の形をとることとなる。「これは優先課題である。従前のように、年金受給の開始時期を柔軟に決められるシステムに戻す必要がある」とダミアーノ大臣は述べている。すなわち、労働者の選択に応じて、57歳から65歳の間で受給を開始しうる仕組みが復活することになるだろう。

出所

  • Corriere della Sera紙(2006年5月18日付)

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