2006年の労働市場
堅調な経済成長が雇用増を後押し
スウェーデン労働市場庁(AMS)は1月16日、2006年の労働市場予測を発表した。最近のスウェーデン経済は、貿易産業の好調が国内需要に引き継がれ、04年第4四半期以降、好成長が持続している。06年の経済見通しも良好で、民間消費の増加が予想されている。公的支出が顕著に増加し、地方政府に対する財政補助も拡充。労働市場の見通しは明るく、雇用の増加、家計所得の増大が期待できる。こうしたことから、06年のGDP成長率は3.3%と良好な結果が見込まれている。
雇用増の大部分が非典型の見通し
スウェーデンでは近年、民間部門の労働力不足が問題となりつつあり、とりわけ建設業の大部分と民間サービス部門の一部で不足感が顕著となっている。AMSが実施した民間企業のインタビュー調査結果によると、企業の06年の採用計画は非常に積極的であり、AMSは今年6万5000人の雇用増を予測する。
しかし、その大部分が臨時スタッフで、正規雇用は微増に留まる見込み。
賃上げもあまり期待できず、06年の賃金上昇率は3.6%程度と見られている。
失業率は大幅改善の予測
一方、AMSは、雇用の増加により、06年の失業率が05年の6.0%から5.2%に低下すると予測する(失業者数は23万8000人)。失業者と労働市場政策プログラム参加者(職業訓練や職業教育)を合計した、いわゆる「不均衡数値」は06年に5000人増加し、不均衡率は05年の8.7%から8.8%に上昇する。
労働市場政策プログラムの拡充も
労働市場で困難な状況にある、大卒の長期失業者、低学歴の若者・女性や非北欧諸国市民、障害者などは、失業して労働市場政策プログラムに参加した後、短期間の時間給雇用を経て再び失業するといった悪循環に陥っている人が少なくない。
このため、政府は2006年に労働市場政策プログラムを拡充。月平均で05年より約4万人多い16万人の参加者を見込んでいる。また、長期失業の学卒資格者のための職場実習、低学歴の若者のための研修制度や訓練代替ポストなどの新たなプログラムを実施する。
結果 | 予測 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | |
労働力人口(千人) | 4414 | 4421 | 4451 | 4459 | 4520 | 4552 |
就業者数(千人) | 4239 | 4244 | 4234 | 4213 | 4248 | 4314 |
失業者数(千人) | 175 | 176 | 217 | 246 | 272 | 238 |
失業率(%) | 4.0 | 4.0 | 4.9 | 5.5 | 6.0 | 5.2 |
労働市場政策プログラム参加者数(千人) | 112 | 117 | 92 | 107 | 123 | 162 |
労働市場政策プログラム参加率(%) | 2.5 | 2.6 | 2.1 | 2.4 | 2.7 | 3.6 |
不均衡率(失業率+労働市場政策プログラム参加率)(%) | 6.5 | 6.6 | 6.9 | 7.9 | 8.7 | 8.8 |
(注)労働力人口、就業者、失業者の2005年および2006年の数字は、労働力調査の方法が変更となったため、それ以前の年の数字とは比較できない。
出所:スウェーデン労働市場庁(AMS)
出所
- スウェーデン労働市場庁ウェブサイト
2006年2月 スウェーデンの記事一覧
- 2006年の労働市場
- 企業取締役会への女性の登用割合を義務付ける法律案
関連情報
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