最近の労働市場動向

カテゴリー:雇用・失業問題統計

台湾の記事一覧

  • 国別労働トピック:2006年11月

I. 8月の失業率は上昇

行政院主計処(DGBAS)は9月22日、8月の失業率は4.09%で、単月としては今年に入り最も高いと発表した。

DGBASによれば、8月の失業率は7月から0.04%ポイント上昇しているが、昨年同月比では0.27%ポイント低下している。また、今年1月から8月までの失業率の平均は3.92%であり、昨年同時期と比較して、0.27%ポイント低下している。失業者数については、8月は合計43万4000人であり、7月から6000人増加している。内訳として、事業閉鎖、又はレイオフにより失業した者の数が、前月より2000人増加、新たな求職者のうち就職できなかった者の数は1000人増加している。しかし、季節雇用、臨時雇用の終了により失業した者の数は1000人減少している。8月の平均失業期間は21.9週間であった。学歴別では、高卒者が4.79%、大卒以上の者が4.47%、中卒以下の者が2.63%となっている。年齢層別では、15歳~24歳で11.09%、25歳~44歳で3.94%、45歳~64歳で2.28%である。

II. 第4四半期の見通しは低下

大手国際人材サービス会社のマンパワーが9月22日に発表した「国際雇用見通し調査」の結果によれば、2006年第4四半期の雇用見通しは、14%ちょうどとなり、当期比で9%ポイント、前年同期比で2%ポイントの低下となっている。このうち台湾の数値は、アジア太平洋地域の調査対象8カ国・地域で最低となっている。

この調査は、。世界中の公共団体・民間組織の人事担当役員、採用担当管理職4万9000人以上が調査対象となるもので、台湾企業からは1330人が対象となった。

調査結果によれば、台湾企業の回答者のうち、第4四半期に人員を増やす計画があるとした者は28%、削減する予定とした者は14%、採用態度に変更はないと応えた者は50%であった。最も採用需要が多いのは、卸売業・小売業であり、同部門での雇用見通しは23%、昨年同期比で14%、当期比で3%ポイントの増加となっている。金融・保険・不動産部門は、18%であり、当期比4%ポイントの増加、前年同期比では同率であった。サービス部門の純雇用見通しは15%をマークし、当期比16%ポイント、前年比6%ポイントの減少を示している。製造業部門の純雇用見通しは9%であり、当期比8%ポイント、前年比12%ポイントの減少である。輸送・公益事業部門の純雇用見通しは6%、当期比21%ポイント、前年比3%ポイントの減少となった。

III. 高齢化社会における新たな雇用機会の創出

オンライン人材サービス会社の104人力銀行の最近の発表によると、台湾社会の高齢化にともない、介護サービス、医療機関、退職フィナンシャル・プラン・サービスに対する市場需要が増加しており、これらの分野における雇用機会も増加している。

内政部(MOI)の統計によれば、台湾人口に占める高齢者の割合は現在9.83%であり、今後も増加を続けるものと考えられることから、20年後には、台湾では少なくとも5人に1人が高齢者となるものと考えられる。

また、長期介護を必要とする高齢者が2006年には65万人以上であるのに対して、介護労働者サービスは不足している。

104人力銀行によると、政府が外国人の採用条件を厳格化したため、多くの家庭では、病気、高齢者の家族のために安価な外国人介護者を雇用することが難しくなっている。ただし、台湾人介護者は、当然のことながら現在でも自由に採用できる。

現在台湾では、最低でも5000人の介護者が不足しており、一部機関では、資格を持つ求職者に対して、4万NTドル(約1220米ドル)から6万NTドル(1830米ドル)の賃金を用意していると104人力銀行は指摘する。

また、同人材銀行は、独居高齢者や慢性疾患を持つ高齢者の多くが医療施設に送られるようになっているため、これらの施設が必要とする免許取得介護労働者は、合計で4000人以上となるとも指摘する。

さらに、人材需要について同人材銀行は、退職フィナンシャル・プランニングの分野で、台湾の保険会社・金融機関が退職計画を支援するための様々な資産管理プログラムを発売しており、フィナンシャル・アドバイザーの求人需要が約7000件あるとしている。

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