新年金制度の促進のための監督委員会の設置に向けた行政院労工委員会の活動
行政院労工委員会(CLA)は9月20日、与野党議員に対して、投資収益の改善を目的として、膨大な労働年金基金を運用する特別委員会に関する情報の法制化を完了するよう改めて要求した。
2004年6月30日に総統が公布し、昨年7月1日に施行された労働年金法では、中央所管官庁は、労働年金基金に関するあらゆる事項の評価、監督を行い、同法にもとづき年金保険制度の施行を行う労働年金基金監督委員会を設置することとしている。
監督委員会は、独立してその権限を行使し、組織、会議その他の事項は、他の法律で定められる。また、新たな監督委員会の設置後は、現行の労働基準法第56条第2項にもとづき設置された旧労働年金基金の運営について、新監督委員会が調整、処理を行うものとしている。したがって、新たな労働退職監督委員会は、労働基準法にもとづく旧来の労働退職監督委員会とは異なるものである必要がある。つまり、旧委員会の権限が監督に限られていたのに対して、新委員会の権限は、監督のみならず基金活用の運用にも及ぶ。労働年金基金は、国内の政府基金としては最大のものとなることは確実である。
このような環境のもとで、新たな労働退職監督委員会には、新労働退職基金の効果的・効率的運用により、新旧制度の収益格差を縮小し、課題を克服する役割までが期待されている。このような事情から新労働退職監督委員会の組織、運営に対する国民の関心は高まっているといえる。
CLAの発表によれば、労働退職監督委員会の設立、組織化、運営、監督を管理し、基金利用を効率的かつ柔軟に実施するため、当初、同委員会は公益法人として設置されるものと考えられる。この目的は、労働者の退職後の生活を保証するため、将来の年金基金のパフォーマンスを最適化できるようにすることである。
しかし、上記の「公益法人」という案に対しては、議員の一部に、公益法人の下では年金運用のコントロールが行えなくなるという意見もあり、この案は立法院で否決された。そのため、現在は労働年金基金監督委員会の組織法草案は、行政機関スタイルの制度となるよう策定されている。
CLAによれば、昨年7月の転職後も継続可能なポータビリティが確保された新年金制度施行以降、今年8月末時点で100万人の賃金所得者が新制度を選択している。新年金制度の成立にあわせ、台湾の雇用者は、従業員の個人退職口座(IRA)に、現時点で961億NTドル(約29億1000万米ドル)以上の積立をおこなっている。
そのような高い積み立て実績にかかわらず、政府起草の労働年金基金監督委員会組織法が立法院を通過していないため、相当規模の基金が「遊休資金」となっていると、CLAでは語っている。
李應元CLA委員長は、議会の新会期の初日に、市・郡政府の労働問題担当職員と主要労働組合代表者のグループを引き連れ、難航している法案の早期成立のためのロビー活動をおこなった。
CLAによれば、王金平立法院長は、法案を支持しており、条項の細部、特に新委員会の最終的指導者、地位、機能、及び採用方針についての条項に関する超党派協議の支援を約束した。
「与野党議員が協力し、できるだけ速やかにこの重要法案を成立させることが期待されている。」とCLAでは語っている。
新年金制度の成立以来、労働年金基金監督委員会設立の準備作業のため、準備室が設立されたが、政府は準備室の活動のため人件費、事務所賃貸費として、4000万NTドル(約120万米ドル)の資金を計上している。
参考レート
- 1米ドル(USD) =118.02円(※みずほ銀行ウェブサイト
2006年11月6日現在)
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