口頭契約で働く被用者の8割は社会保険未加入
―外資系企業賃金調査結果から

カテゴリー:労働法・働くルール労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年9月

ベトナム労働法典は労働契約について、書面による契約に加え労使が口頭で契約を交わしてもよいとしている。一方、社会保険については、3カ月を越える期間の有期契約、または期間に定めのない契約を結んでいる労働者に対しては強制加入となっているものの、口頭での契約や3カ月未満の契約の場合は任意加入となる。このため、口頭および3カ月未満の労働契約の下で働く被用者の多くが社会保険に未加入であるなど、被用者が不利な立場に立たされることが多い。

外資系企業における社会保険加入率を雇用形態別に見ると、口頭および3カ月未満の労働契約の下で働く被用者の7~8割が社会保険に未加入であるほか、加入が義務付けられている3~12カ月の労働契約の場合でも約19%が未加入の状態である。近年、外資系企業でのストライキの増加の原因のひとつが社会保険の不備にあることから政府は社会保険料の未納に対する取り締まりを強化するとしている。

表:外資系企業における雇用形態別に見た社会保険加入率(%)
  口頭契約 3カ月未満 3~12カ月 1年~3年 期間の定めなし
社会保険
加入率
20.0 25.0 81.1 98.6 98.1
社会保険
未加入率
80.0 75.0 18.9 1.4 1.9
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

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