6月の労働市場、ゆるやかな回復を示す

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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  • 国別労働トピック:2005年9月

労働市場庁(AMS)は、7月15日、6月の雇用失業情勢に関する発表を行った。それによると6月の労働市場の状況は前年同期と比べてほとんど変化がなかった。季節調整後の失業者と不均衡数値(失業者と労働市場政策プログラム参加者の合計)は数カ月間前年と同水準を維持した。しかし、新規求人数の増加、解雇予告の減少など、いくらかの肯定的な兆しもうかがえる。

第2四半期に職業安定所に登録された新規求人数は前年同期より1万6000人増加した。同時に解雇予告を受けた人の数は4000人減少した。

失業者と不均衡数値の統計は、5月と6月の間の通常発生する季節的な増加を除いて、ここ数カ月間前年と同水準を維持した。これらの傾向は、この秋から来年にかけて失業状況がいくらか改善するとしている最新の労働市場庁の予測を反映している。

最近数カ月の労働市場の改善の背後には、建設業やいくつかのサービス産業の状況の好転、とりわけ公務部門の労働力需要の増加がある。しかし、労働市場庁は、労働市場状況の急激な改善は期待できず、労働市場政策を継続していく必要がある、としている。

6月の雇用情勢の特徴は次のとおり。

  • 職業安定所に登録された失業者は、労働力人口の5.9%に当たる26万2000人であり、前年同期比で3000人増加した。
  • 少なくとも6カ月間(25歳以下の若年者の場合は100日間)失業している長期失業者の数は、1年でほぼ3000人減少し、6月末には5万4000人となった。若年(18~24歳)の長期失業者数は、昨年6月の2700人、今年初めの3500人から減少し、2600人となった。
  • 前年同期比1万4000人増の11万1000人(労働力人口の2.5%)が経済的支援に関係するプログラムに参加した。
  • 合計の不均衡数値は、前年同期比0.4%増(1万7000人増)の8.4%(37万3000人)であった。しかし、通常の季節的要因を反映して、前月比の不均衡数値は3万5000人増加した。昨年前半の6カ月間に不均衡数値が1万6000人増加したのに対し、今年前半6カ月の不均衡数値の増加はわずか3000人であった。季節調整後の失業者数および不均衡数値は、数カ月間同水準を維持している。
  • 女性の不均衡数値は、全体の増加分のほとんどを占める1万4000人増加した。不均衡数値の男女間格差は継続的に縮小しており、6月は男性が19万5000人であったのに対し、女性のそれは17万8000人であった。若年者(18~24歳)の不均衡数値は、過去1年で5000人増加し、6万9000人となった。
  • 2年以上失業しているか労働市場プログラムに参加している長期登録者の数は、前年同期とほぼ同水準の3万6000人であった。長期間職業安定所に登録している求職者向けの積極的労働市場プログラム参加者の数は、この1年で8000人増加し4万5000人以上を記録した。
  • 6月に職業安定所に登録された求人数は、前年同期比3000人増の3万1000人であった。工業部門の求人数は継続的に減少しているが、ほとんどのサービス産業では労働力需要が増加した。例えば公務部門の求人数は、とりわけ教育分野などで、ここ数カ月増加している。全般的に今年前半6カ月間で求人数が、前年度前半に比して1万6000人増加した。ほとんどの増加が第2四半期に発生している。
  • 6月の解雇予告は、前年同期より2600件少ない、4500件であった。半数以上の解雇予告が製造業で発生している。今年前半6カ月では、昨年前半より3000人少ない3万1000人が解雇予告を受けた。ほとんどの解雇予告は第2四半期に発生した。
  • 地域的にはストックホルム県が、失業率と労働市場プログラム参加者の比率の合計が6%と、最も良好な労働市場の状況を示しており、次いでイェンチェピング県(Jonkoping)が6.2%となっている。不均衡数値が最も高いのは、ノボッテン県(Norbottenn)の13.1%であり、次いでイェーブレボリ県(Gavleborg )が12.3%となっている。失業率は、イェンチェピング県(Jonkoping)の4.3%からイェーブレボリ県(Gavleborg )の8.2%まで大きく開いている。

出所

  • スウェーデン労働市場庁ウェブサイト

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