女性の地位、アジアでトップ
3月8日の国際女性デーにシンガポールで開催されたアジア太平洋女性大会。大会に参加した12カ国中、タイの女性は社会経済的に最も高い水準を保っているとの報告がなされた。この報告は、マスターカードインターナショナルによる、アジア太平洋13カ国各国の300~350人の女性を対象にした、女性の社会参加や教育水準、婚姻状態や収入などについての調査結果に基づくもの。
報告の中で、高学歴の女性の多さが決めてとなり、タイは92.3ポイントをマークし、調査国中第1位となった。第2位はマレーシアで、既婚女性の社会的地位が高いことが特徴となっている。マスターカードインターナショナルのユワ氏は、タイ社会が女性の進出に寛大な社会であり、ここ数年のタイの家計所得の向上に大きく貢献することになるであろうとコメントしている。一方、最下位は日本、韓国、インドネシアとなっている。
他方、同日タイで開催された女性の権利に関するセミナーにおいては、NGO活動家や研究者、政府関係者が出席し、1995年の北京行動要領(BPFA)が、未だタイでは達成できていないことを指摘する報告があった。BPFA(Beijing Platform for Action)とは、女性に関する教育、貧困、健康、紛争、平和などに関する12の達成目標。
マヒドン大学のクリティヤ教授は、タイの社会、特に性産業が阻害要因となって、この12カ条は達成できておらず、状況は逆に悪化していると報告した。その理由として、タイ社会が女性の社会進出には寛大であるとしながらも、社会のメインストリームがジェンダー問題に対して関心が薄いことを挙げている。また、同教授は近年警察官による女性へのレイプ事件や国家公務員のセクシャルハラスメント問題が増加していることも懸念材料であることを付け加えた。
参考
- Bangkok Post, 2005年3月8,9日
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