労災保険未加入の主婦・主夫に対し罰則

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  • 国別労働トピック:2005年3月

家事による災害に対する保険の強制化から4年、同保険に1月31日までに加入しない主婦(および主夫)に対し、罰則が課されることになった。保険料は年に12.91ユーロと高くはないが、600万人に上る主婦・主夫のすべてが保険料を納付すれば、その額は約7800万ユーロにも達することになる。

主婦協会からの強い要望により、強制加入化当初(1999年)は、原則の導入(すなわち、あらゆる点で、家庭内労働を労働として認めさせること)にとりわけ力が注がれたが、5年の試運転期間後、制度としての強制保険法は、多くの混乱を惹き起こしている。なぜ、33%以上の恒久的障害(たとえば、5本以上の指の切断など)を生じさせる災害しか補償されないのか。なぜ、死亡の場合は、保険の対象とならないのか。なぜ、65歳を超える者は被保険者となれないのか…等々。

それだけではない。手当に対する権利を得るためには、家庭内労働を遂行して障害を負ったことを証明する必要がある。なぜなら、家事に厳密に関わらない状況で生じた障害は、補償の対象とならないからである。また、33%の障害を負った場合は月にわずか188ユーロが給付されるだけで、最高額の1030ユーロとなると、100%の障害を負っていなければならない。保険に加入しなければならないのは、18歳から65歳までの男女で、従属的な拘束なく、家族のケアを目的とする無償の家庭内活動を非偶発的に遂行する者すべてである。家庭で無償労働を行う学生、年金受給者、失業者および外国人も、他の保険に加入していないのであれば、当該保険への加入が義務付けられる。個人所得が年に4648.11ユーロを超えない場合、または、家族の所得が年に9296.22ユーロを超えない場合は、保険料納付が免除されるが(この場合、財政は国庫負担)、この条件に当てはまる者も、1月いっぱいに、主婦協会、各種保護協会またはINAIL(全国労災保険機関)で配布される書式によって、保険料免除要件を備えていることを証明しなければならない。

INAILは、法律が施行した2001年には、150万人の主婦・主夫が加入したと説明している。これが2004年12月31日現在では187万人と、わずかに増加したにすぎない。主婦・主夫が600万人に上ると推計されることからすれば、400万人以上足りないのである。主婦同盟のアレッサンドラ・エジーディによれば、「保険料の未納が判明した場合には、保険料を超えない額の罰金と本来の保険料、したがって最高26ユーロを支払わなければならないだろう」とのことだが、INAILとしては、2001年以降の未納額について納付を要求する考えと思われる。なお、INAILによると、今のところ、3000あまりの手当支給請求のうち、支給が認められたのは107にすぎないということである。

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